地域の経済統合がすすむ南米だが、アルゼンチンとブラジルは貿易の決済通貨をドルから両国通貨に変更するという。
これも世界のドル離れのひとつの事例。
世界の金融不安に対しては、特に先進国の責任を強調している。
地域統合強化へ声明 アルゼンチンとブラジル 南米(しんぶん赤旗、2月24日)
【メキシコ市=松島良尚】アルゼンチンのフェルナンデス大統領と同国を訪問しているブラジルのルラ大統領は二十二日、地域統合の促進をうたった共同声明を発表し、エネルギー分野などで十七の協力協定を締結しました。貿易決裁の通貨を米ドルから両国の通貨に移行していくことも合意しました。
声明は、不干渉と国際法の尊重が両国の外交政策の基本原則だと位置づけ、これらを順守することが平和と主権国家の共存、多国間主義の強化、より安定的、民主的な国際秩序の構築にとって不可欠だと強調しています。
地域統合については、南米南部共同市場(メルコスル)を強化することや南米諸国連合の構築が順調に進んでいることを再確認。エネルギー体制を統合する緊急性も挙げています。
声明はまた、米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題に端を発した国際金融市場の不安定性に懸念を表明。先進国に対し、混乱を調整し、予防する政策を採用するよう呼びかけるとともに、世界経済の安定に寄与している新興経済国の貢献を強調しています。
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メルコスル 関税同盟として一九九五年に発足。現加盟国はアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ。米国がすすめる米州自由貿易地域(FTAA)構想への反発が強まる中、エネルギー網の構築や社会分野の協力を含め、地域統合の核として位置づけられるようになっています。
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