以下は、新日本婦人の会「新婦人しんぶん」2010年11月4日、第2865号、第5面に掲載されたものです。
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第8回「ハルモニたちのいま」
私たちは、2005年に『ハルモニからの宿題』を出版した後、2006年に『「慰安婦」と出会った女子大生たち』(新日本出版社)、2007年に『「慰安婦」と心はひとつ 女子大生はたたかう』(かもがわ出版)、2008年に『女子大生と学ぼう「慰安婦」問題』(日本機関紙出版センター)と、次々に本を出してきました。
その主なエネルギー源は、「慰安婦」問題の事実とハルモニの願いを伝え、日本国民の責任を考えようとよびかける、学生たちの熱意でした。
『「慰安婦」と出会った女子大生たち』は、東文選というソウルの出版社から韓国語訳も出されています。
「日本人にしか解決できないから」
今年の韓国旅行のエピソードですが、「ナヌムの家」を訪れた際に、足のケガで病院にいった学生がいました。その学生に、地元の女性が話しかけてきました。
「日本人でしょ。こんなところに何しに来たの?」「『ナヌムの家』に勉強にきました」…。しばらく話した後、女性は立ち去りましたが、ほどなく、ジュースを持ってもどってきました。
それを学生に渡しながら、彼女はこういいました。「これは日本人にしか解決できない問題だから、しっかり勉強してがんばってね」。
それを聞いた学生は「日本の身近な人もなかなか理解してくれないのに、被害国の女性にこんな言葉をかけてもらえるとは」と、涙をこらえることができなかったそうです。
全国各地の取り組みを急いで
その一方で、たいへん残念だったのは、今回初めてハルモニの「証言」をうかがうことができなかったことです。体調がすぐれなかったのです。ハルモニたちは80代から90代の高齢なのです。
いま日本では、地方議会から政府に向け、問題解決を求める意見書をあげる運動が取り組まれており、新婦人のみなさんも大きな役割をはたされています。しかし、政府を動かすには、まだまだ数が足りません。私も仲間と力をあわせていますが、みなさんにもあらためての奮起をお願いしたく思います。
こうして私が「慰安婦」問題を学んだ時期は、改憲か護憲かの憲法論議が高まり、イラク戦争をつうじたアメリカの孤立と東アジアの台頭が顕著になっていく時期でもありました。
それらをふくめ副題を「アジア、憲法、『慰安婦』」とした『覇権なき世界を求めて』(新日本出版社、2008年)を出版したのは、51歳の時でした。
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