以下は、日本共産党兵庫県委員会「兵庫民報」2012年1月1・8日(2363号)に掲載された、対談「兵庫県政を県民の手に」の石川の発言部分です。
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対談:兵庫県政を県民の手に
阪神・淡路大震災での過ちを繰り返させてはならない
石川 東日本大震災以後、“人間の復興なのか、それとも大資本の論理での復興なのか”、その対立が日本の針路をめぐる焦点として浮き彫りにされていると思います。
宮城県は復興の名のもと、漁業権の大企業への開放、漁港の集約化をすすめようとしていますが、これらはもともと財界団体が打ち出した方針です。
国政の転換とあわせて、国の悪政とたたかって住民の暮らしを守るのか、あるいは国にもましてひどい政治を行うのか、自治体の姿勢の根本が問われています。
対決軸はあきらか国民の動き次第で大転換
石川 憲法県政の会の県民要求アンケートには「2、3年前より生活が悪くなった」という回答が7割もありました。医療・福祉の充実が、特に切実な願いです。それは県の「新行革プラン」が切り捨てをすすめてきた分野であり、県政の転換が県民の暮らしを守る上でどうしても必要だ、ということを示すものでした。
石川 前回知事選の時、井戸現知事の後援会「新生兵庫をつくる会」の会長は兵庫トヨタの会長、特別顧問は神戸商工会議所会頭で神戸製鋼所の元会長でした。
大企業が自分たちに都合のよい政治を実行させるために井戸知事を当選させる。その関係ははっきりしているわけです。
石川 東日本大震災の直後から財界は東北の復興を、全国的な道州制実施の入口にすると明言してきました。
関西広域連合は関西州への一里塚とされたもので、大阪の橋下「維新の会」の都構想も同じです。
原発災害を引き起こした東電に対する政府の姿勢は極めて弱腰ですし、TPP推進、財政難といいながらの法人税減税でも、この国の政治が財界に牛耳られているということが、非常に見抜きやすくなっています。
それだけに“いつまでも財界いいなりの政治でいいのか”と、政治が大きく変わる可能性が広がっていると思います。
住民自身が社会をになう自覚と力量をもって
石川 次の県知事選挙は2013年夏の予定です。これに勝利するための準備を急がなければなりません。’09年の選挙ではようやく30%を超える得票になりましたが、これを50%を超えるところに引き上げなければなりません。前回と同じことをすればいいという惰性に陥っていたのでは話になりません。
改めて県政についての学習を深め、広げる。全県民に届く宣伝やアピールを工夫する。地域に根ざした要求や運動を全県的に交流していく――などが必要です。
石川 それらは県知事選挙での飛躍を実現する大きな可能性を示すものにもなっています。県教委による高校の学区再編提案は、県下のすべての中高生をいっそう強く「競争の教育」にまきこむものです。学べない子どもが生まれる、地域が崩壊してしまうなど、政治的立場のいかんにかかわらず、不安や反対の声が出されています。それらは県政の転換を求める大きな力でもあるわけです。
原発からの撤退、自然エネルギーへの転換の問題も同様です。放射能被害をこうむることのない兵庫県をつくり、子どもたちに安全・安心の未来を手渡したいという思いは、従来の政治的立場の相違を超えた広がりをもっています。
憲法県政の会は昨年末、『原発ゼロ自然エネルギーへの転換 ウィーラブ兵庫⑤』(日本機関紙出版センター発行、A5判、106p.本体476円+税)を発行しました。各団体や地域の会で、ぜひ学習の機会をつくっていただきたいと思います。
自治体とは本来どうあるべきか議論も深め
石川 デンマークのロラン島は“自然エネルギー地球イチバンの島”として有名です。それは’70年代にデンマーク政府がこの島に原発建設を計画したのに対して、住民が「急いで決めないで、考えさせてほしい」と要望したことから始まりました。
住民は各地で学習討論会を繰り返し、エネルギー不足は大変だが、原発事故と放射能被害はそれ以上に恐ろしいとの結論を出し、’85年に国が原発政策を全面的に放棄するきっかけをつくりました。あわせてそれが自然エネルギー導入への大きな転換点をつくりました。
石川 この国の主権者は国民であり、その意向を実現する上で専門的な力量を発揮するのが自治体職員や議員の役割です。この基本的な関係にそった改革をすすめていただきたいと思います。
市町村合併や道州制と、地方自治体は巨大化ばかりがもてはやされていますが、憲法県政の会では、地方自治体は本来、互いに顔の見える範囲での住民の議論を基礎にして行うものではないかと話しあっています。住民一人ひとりが社会の主人公になり、一人ひとりの暮らしを互いに守りあう社会をつくるには、その点での発想の転換が必要ではないかと思っています
石川 がんばりましょう。
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