以下は、 「しんぶん赤旗」2012年11月11日、第3面に掲載されました。
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古めかしい本性が露呈「第三極」づくりの鍵を握るといわれる「維新の会」は、去年の大阪府知事・市長のダブル選挙の際には、自民党から共産党まですべてを敵に回したことで、新しい政治の担い手であるかのような外観をもちました。
しかし、国政進出をめざして全国民の前に表れたその姿は、民主、自民、みんななどからの脱落組で国会議員団を構成するなど、すでに「既成政党」と何もかわらぬものになっていました。メッキは、1年で見事にはげたということです。
古めかしい本性の露呈が、維新の急速な失速を生み出しており、みんな、たちあがれ、石原氏等との野合の追求は、それをますます加速させるものとなっていきます。そうした全国での不人気は、大阪、関西にも確実にはねかえってくることになるでしょう。
維新が失速せざるをえない根本の理由は、彼らには国民の願いに応える意志も政策もないということです。
いまの日本社会には、財界主導・アメリカいいなりという、国民不在の政治に対する不満がうず巻いています。それが、半世紀におよんだ自民党政権の拒絶につながり、財界の巻き返し策である「二大政党制」づくりをも破綻の淵に追いやっています。
財界、アメリカが求める原発、TPP、オスプレイ、消費税増税の推進に、世論の多数はノーをつきつけており、これに逆行する自民や民主の古い政治は、まちがいなく、かつてない深刻な危機に直面しています。
その危機を表看板のかけかえだけで、政治の中身を転換せずに、遮二無二乗り切ろうとするのが「第三極」づくりの動きです。
実際、維新、石原氏、みんな、たちあがれのどれをとっても、これまでの政治の転換策はありません。それどころか復古の思想をバネにして、民主主義、人権、平和をないがしろにする改憲を、一挙に押し進めようとする、さらに危険な傾向も見えています。「維新の会」もその一員以外の何物でもありません。
いま急がれねばならないのは、原発ゼロ、TPP反対など、国民多数の願いの実現に必要な、新しい政治の具体的な姿を描く国民的な討論です。維新等の「第三極」論は、その中でこそ正面から乗り越えていくことができるものです。
古い政治の転換をかかげる日本共産党には、新しい政治のビジョンをわかりやすく示すことと、それを多くの国民に確実に届ける力を鍛えるために、党員一人一人のインターネットの活用も含めた、発信力、対話力の強化を、ぜひとも期待したいと思います。
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