以下は、『京都民報』2013年11月10日に掲載されました。
記事全体の見出しは、「憲法違反の『維新の会』/時代錯誤の
『思想犯』暴言/府議会で豊田議員/『君が代』強制に反対する
教員を攻撃」というものです。
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戦前の暗黒時代に民主主義や平和を求める運動を弾圧した人々が使った「思想犯」という言葉を、現職の府議が議場で口にしたことに驚かされました。
これは戦前から戦後への社会の進歩を否定する発言といっていいでしょう。
7月の参院選で後退し、兵庫の宝塚市や伊丹市だけでなく本家大阪の堺市長選挙で敗北したにもかかわらず、平気でこうした発言を行うところに「維新の会」の復古主義・国家主義の思想の根深さが現れています。
昨年の衆院選の選挙公約として議論された「維新八策」は、大阪の「教育基本条例」や「職員基本条例」を全国に広げると書いていました。
それは「維新の会」そのものの根本的な政治姿勢です。
そもそも教員に「君が代」斉唱を強制することは、教育基本法が目指す「個人の尊厳を重んじ(る)」「人間の育成」と両立するものではありません。
その狙いは子どもたちの教育に「国の言うことを聞け」という国家主義を浸透させようとすることです。
自民党の改憲草案(12年4月)には、「日本国は・・天皇を戴く国家」(前文)、「天皇は日本国の元首」(第1条)、「国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」(第3条)等が含まれています。
あまりのことにアメリカの政府筋からも警戒の声があがっていますが、「維新の会」はこれを「右から」支援する役割を果たそうとしています。
その姿勢は国会内の最右翼政党だった「太陽の党」との合流で一層鮮明になりました。
改憲に向けた安倍政権の右翼的暴走を食い止めるためにも、今回のような時代錯誤の発言が二度とできなくなる厳しい批判を突きつけることが必要です。
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