以下は、日本平和委員会「平和新聞」、2010年6月25日、第1928号、第7面に掲載されたものです。
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シリーズ DVD「どうするアンポ」をみたヘイワのタマゴたち
米軍基地は日本を守ったことがあるの?
~大学1年生のゼミで~ 短時間で理解を
石川康宏さん=神戸女学院大学教授・京都平和委員会
5月7日、1年生(多くが18歳)向けのゼミで上映。ゼミはレポートの書き方を学ぶことが中心課題で、その内容を「戦争と平和」としています。このゼミには、20人が所属しています。…………………………
DVDを見た学生が真っ先に出した質問は、「在日米軍は日本を守ったことがあるのか?」というものでした。テレビで海兵隊は必要だという議論がよく流され、「米軍が日本にいるのは当たり前」と何となく思わされているが、その米軍が実際に何をしているのかについては知らないのです。これは学生たちの実情を示す象徴的な質問だったと思います。
日米安保や在日米軍の存在は、日本社会の根本問題なのに、ほとんど何も知らされていない。これは異常なことです。学校だけでなく、大人の誰からも伝えられていない。さらにいえば、米軍による日本の軍事占領など、戦後史の知識もほとんど与えられていません。これらの事実を知らないままで、今日の日米関係を正しく捉えることはできません。
しかしDVDを見た後のやり取りで、学生たちは短時間に理解を深めます。
「米軍は日本を守ったことはあるんですか?」との質問に、「ない」と私。「米軍はなぜいるんですか?」「安保条約で基地提供の義務を定めているからかな」
「安保条約はなくせないんですか?」「10条に基づき、日本政府がアメリカ政府に通告すればいい」「なぜしないんですか?」「安保がなくてもいいという国会議員が少ないから」「参議院選挙では基地や安保は話題になるんですか?」・・・
学生たちは米軍機の轟音、登場する人の表情、たたかいの気迫などに引きつけられ、内容に集中していました。学びの材料として、タイムリーでありがたい映像です。
他にもこんな質問が…
「なぜ日本に米軍基地があるのか?」
「沖縄の空を飛んでいる米軍機は何をしているのか?」
「米軍のための予算を日本のために使うことはできないのか?」
「憲法9条があるのに、なぜ自衛隊をイラクへ送ったのか?」
「アメリカとどうすれば対等になれる?」
「米兵の犯罪者を追及しない日本の警察は国民の味方と言えるのか?」
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