学生による授業評価アンケートの内容を紹介。知的刺激は高いが、内容が盛りだくさんで、それぞれの理解が追いつかないことがあるとのこと。
前期授業のふりかえりを行う。①感情的な中国論でなく、ありのままを見つめることの必要。②中国経済の急成長と国際社会での大きな地位。③日中の大問題としての「歴史認識」。④アメリカの対中接近策と、日米首脳会談。⑤90年代半ば以降の靖国史観派の台頭。⑥侵略と加害の実態。⑦「社会主義」の歴史的変遷。⑧「慰安婦」・傷痍軍人・A級戦犯。⑨元高圧力に屈しない自主の精神。⑩海外にひらかれた国際戦略。⑪世界構造の変化を促進する中国外交など。
ありのままの中国という時、①経済大国、②国連主導の世界秩序の立場、③貧困とその克服の努力、④一党制の政治的民主主義の制約、⑤民主主義拡充の中での社会主義か資本主義かの選択、⑤市場経済化による政治腐敗との闘い、⑥長期の高度成長を実現する経済運営能力など、多面性をありのままにとらえる必要。
資料を配布。最近の新聞情報から。①開発・建設ブームの中での地方政府の腐敗、1200社もの建設外資、これを中央政府がコントロールできるのかどうか、②年内にドイツを凌駕するという経済大国化ぶり、その中での輸出抑制、農業支援、環境保護、バブルの抑制などの調整政策がうまくいくのかどうか、③すでにある東アジアの経済ネットワークは最終市場としてのアメリカに依存するが、その過度の依存を抜け出すことができるかどうか。
最後に前期末レポートの課題を提示。「日米中3国関係の現状と課題について自由に述べてください」。ワープロで2000字程度。〆切7月27日午後1時、提出先は文学部事務室前ボックス。
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