ビデオ「いまそこにあるユニオン」を見て、内容の解説を行っていく。
ストーリーは、非正規雇用の女性が、労基法で保障された権利の行使を求めたことを理由に解雇の通告を受け、ローカルユニオンに入って団体交渉にこぎつけるというもの。
解説した主な点は、①労使関係は法律で定められているところが多いが、使用者が法律を守ろうとしないケースは少なくない、それを乗り越えるためには雇用される側に知恵がいる。
②そういう知恵を蓄積した団体に労働組合(ユニオン)がある。主な全国組織は全労連、連合、全労協など、全体で1000万人程度の組合員がいる。
③団結権、団体交渉権、争議権の労働3権は憲法によって保障されている。日本では企業別組合が主流だが、産業別・地域別の組合もつくられている。組合への加入は個人の意志による。
④非正規雇用では安定した生活は望めない。20代の2人に1人、全労働者の3人に1人が非正規。非正規の急造は90年代後半以降のこと。
⑤組合の事務所や職員は組合加入者が定期的に支払う組合費によってまかなわれる。職員がいない場合には、組合員が交代で役員をつとめている。
⑥NHKの「ワーキングプアⅢ」は、アメリカやイギリスを取材して、むしろ日本の貧困の深刻さを指摘する。問題を解決する意志が見られないところに大きな問題があると。北欧をふくめワーキングプアが深刻な問題とならない社会には、労働者の強い発言権がある。日本社会もそこのバランスをとることが必要。
最近のコメント