テキスト138~150ページを読む。
経済財政諮問会議の内実が、財界人2人を柱とする民間4議員主導であることの復習からスタート。
同じ「諮問会議・委員会」の名であっても、同会議には別の審議会と異なり、議案を事務方ではなく議員が提起できる特性がある。それは官僚(事務方)から政策決定の主導性を奪い取るということ。
他方、予算作成過程の改革では、各省庁ごとの政財官トライアングルや自民党の主導(調整)力を「官邸」が奪い取るものともなっていく。
こうして小泉内閣がつくった初の予算(2001年度)で「5兆円削減、2兆円を新規事業に」という、同じ財界主導であっても、古い利権に新しい利権をとってかわらせる予算がはじめて具体化し、以後の摩擦を生みだしていく。
さらに同予算に向けた民間議員による財政構造改革方針は、①公共事業費、②社会保障費、③地方への財政支出の削減に焦点をあてる。
①公共事業費は、事業を都市部の大規模開発に重点化し、大手ゼネコン関連資本の利益を確保しながら、総額削減をすすめるもの。地方事業は切り捨てられ、中小ゼネコン・工務店の仕事は削減される。
②社会保障費については給付が抑制される。社会問題となる医師不足を導いた医療制度「改革」(医療支出抑制策)もここに含まれていく。
③地方に向けては、地方交付税と補助金の削減、税源移譲の「三位一体改革」が行われるが、削減に見合うだけの移譲はなく、結果として、自治体の生活関連予算削減がすすめられる。
次回は、最後のまとめとする。
なお、以下のように学期末のレポート課題を提起。
「『構造改革』とは何ですか? 日本経団連役員企業の構成変化に関わらせて、説明してください」。
2000字程度。提出先は文学部事務室。〆切は2月1日午後1時。手書き不可。
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