オバマ大統領誕生をどうみるかについて、簡単に紹介。
①1月20日の大統領就任に向けて、政策の詳細はこれから煮詰められていく。
②大局的には、アメリカ支配層にも従来型の政治に対する反省があり、ブッシュ政治の転換を求める流れの上にオバマ当選はあった。
③長い黒人差別・人種差別の歴史にとっては大きな意義がある。
④政策的には、a)温暖化ガス排出については大胆な数値目標をかかげている、b)核兵器廃絶も語ったが、これは先制攻撃戦略を継続することとの関係が不鮮明、c)16ケ月以内にイラクから戦闘部隊を撤退させるとしているが、占領部隊は残すとしている、d)アフガニスタンについては派兵増強、e)公的医療保険については子どもに限定した発言がある。
⑤a)については石油・自動車資本との対立が、e)については保険資本との対立が予想されるが、大統領選挙のために集めた660億円の資金の大半は企業・団体献金となっている(小口は25%のみ)。どれだけ財界の利害に踏み込むことができるか。
⑥日経新聞「オバマの米国と世界」が面白い。a)オバマ勝利の背景にあるのはアメリカの地位低下、b)リーマン破綻にマケインは無理解だったが、オバマに優れた政策があったわけでもない、c)アフガンはイラクの二の舞になる恐れもある、d)アジアには「クモの巣状の協調」をつくり、日米同盟の比重は落ちるとする。
テキスト108~122ページを読む。経済同友会には、日本経団連以上に、アメリカから東アジアへの外交軸のシフトを明快に求める意見がある。東アジア共同体評議会にも。
他方、2006年からのアメリカの東アジア政策転換の背後には、アメリカと中国の経済交流の深まりもある。中国からの輸入だけでなく、05年からの中国の内陸開発策にアメリカは市場拡大のチャンスを見ている。
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