「Ⅰ・現代グローバリズムの歴史的前提」に入る。
「1・米国はどのように国際経済システムを構築したか」
1930~40年代の覇権の交代
①第一次大戦は、英米の覇権交代にどのような意味をもったか
米国は債権国に、英国は衰退をくい止められず
経常収支(経常収入-経常支出)、海外との収支は金で決済、黒字は貯蓄をつくる
貯蓄は対外貸付を生み、資本収支の赤字を生む
19世紀の米国は債務国、戦争で協商国への輸出急増、一気に債権国へ
②「世界の銀行」となるための条件とは
第1次大戦まで国際金本位制、日常的にはポンドが流通、支払地はロンドンに
マーチャント・バンカーが手形を引き受け、ビル・ブローカーが割り引いてくれる、金融的便宜をロンドンは世界の銀行に与えた、イギリスが「世界の銀行」に
アメリカ、1913年連邦準備制度(米歴史上初の中央銀行)形成、銀行引受手形機構を創設
③大恐慌が資本主義諸国へ与えた衝撃とは?
イギリス1930年代には経常収支赤字、31年金本位制離脱(資本輸出抑制へ)、アメリカが資本提供国に、対外証券投資の拡大
アメリカでの投機熱、1929年10月大暴落
貿易の縮小、資本の引き上げ、国際金本位制度崩壊、独自の通貨ブロックへ
1934年自由貿易主義への転換、相互の開放をもとめる
④老獪な経済学者ケインズの仕掛け
自由放任から知性によるコントロールへ、国際金本位制は各国利害の対立を生む
1・自立的な利子率政策、2・雇用の最適をめざす国家投資計画、これによって貿易は拡大し、失業は回避される
1940年イギリス大蔵大臣顧問に、新通貨バンコールを含む国際清算同盟の提案、アメリカホワイト提案、加盟国の拠出による国際中央基金
⑤イギリスから米国への覇権の交代
1939年第二次大戦勃発、イギリスの疲弊、1941年武器貸与法でイギリスブロックの解体をもとめる
1945年武器貸与法廃止、巨額の借款をめぐる米英交渉、多額のドル貸与と引き換えにイギリスは多角的自由貿易への復帰を約束
経済的覇権交代の主要因は、①第一次大戦でのアメリカの債権国化、②国際通貨ドルの準備、③大恐慌によるポンド体制の瓦解、④第二次大戦でのアメリカの圧倒的優位、⑤武器貸与での借款をめぐるポンドブロックの解体。
最近のコメント