昨年秋からの授業の流れを確認。
映像「証言-侵略戦争」を見て、グループ毎に討論をする。
出てきた質問は以下のよう。
Dグループ・洗脳はすごい、現代でも洗脳されたら殺すのか、誰が裁かれて裁かれなかったか、新聞記事の報道も政府の命令か
Cグループ・まわりも人を殺しているから正しい判断ができなくなっているおそろしい、天皇にあやつられていた、人格を破壊する教育
Bグループ・日本軍上層部は謝っていないのか末端だけが謝罪したのか、平和・反戦・日中友好という言葉があったが、侵略をこのビデオを見るまでしらなかった、そういう意識をもてずに来た、天皇絶対の時代に天皇は何をしていた、総理大臣との関係は
Aグループ・印象的だったのは首を切って引け目を感じなくなったという話し、侵略の実態をまったく知らなかった、教えられないことはこわい、たくさんの川の死体はどうしたのか
〔以下は映像内容のメモ〕
15年戦争で310万人の犠牲、アジア人2000万人、中国1000~1200万人
日本がはじめた侵略戦争
富永正三、田中少尉「人間の首はこういうふうにして切るんだ」「首が2メートルほど飛び、2本の血柱が」、自分もやった、それで腹がすわった、1914年うまれ、東京帝大卒、小隊長になるが部下に気後れ、首を切ったことで自信がついた、人間が人間でなくなった、平気で人を殺せる状況に
永富博道、愛国学生団として南京虐殺に、「肝試し(殺し)をやってみろ」「オレが首を切るから見ておれ、日本に土産ものをもってかえれ」「首がとんで、血がシューととぶ」「ある中国人が揚子江に飛び込む、そこに銃を打ち込んだ、それが私の最初の罪行」、子どものころから天皇への忠誠を身につけさせられてきた、「キリストが天皇よりえらいはずがない」、国士館大学、頭山満の教え、中国で特務機関の一員、日本刀で切る、槍で突き刺す、拷問(水責め・火責め・デレッキで焼く・地下牢に閉じこめる)、洞窟にいれて焼き殺す、銃殺、相手を思いやる気持ちがなくなる、共産党は鬼だ・匪賊だ、憎しみだけ
土屋芳雄、元憲兵、水責め、肺に入ると死んでしまう、ヘタクソ、1911年うまれ、貧しい農家の長男、貧しさから逃れ一人前の男(上等兵)になりたかった、最初に度胸つけの試し斬り、切らないと上等兵になれない
3人がしたことは特殊なことではない、首切り、強姦、強制連行・労働、生き残った人にも家庭の破壊と貧困が
日本の敗北、戦争犯罪人として裁かれた、戦犯管理所での鬼から人間にもどる苦労
永富、虐殺で生き残った人が証言、娘を殺された、自分が切られた、「到底償うことはでない」「死んでも償えない」
土屋、328人殺しました、1000人以上を拷問しました、総括文書を書いた、殺されると思った、眠れなかった、正月に餅をついて食わせてくれた(自分たちはコーリャンと粟飯しか食っていなかった)、医療もうけた、泣きながら謝った、それで体が軽くなってきた
中国側は「罪を憎んで人を憎まず」の態度
富永、命令にしたがって行動したので自分には罪がないと考えていた、自己批判書を書いた、「こんなに簡単に、苦しみもなしに書くとは何事か」、地下の独房にいれられた、裸電球で壁をながめるとひっかいた後が、「打倒日本帝国主義」など、反満抗日の英雄たちの書き残し、それを見た時に殺されるものの気持ちがはじめてわかった、命令だから仕方がないでは被害者には通らないとわかった、それが鬼から人間への転機、自分の責任・上官の責任・頂点に立つものの責任を追求すべきだと
ごく普通の若者になぜこんなことができたか
永富、中国人は人間と考えていなかった
富永、蔑視の根本は教育、日本民族は上だという認識、帝政ロシアに勝ったことからの優越感、教育の過程で意識的につくられていた、軍隊の中での人格破壊、人間性の圧殺
富永、「1銭5厘でいくらでも集まる、馬は300円かかる」「馬糞を口に押し込まれる」「人間的なものをすべて圧殺してしまう」、天皇の命令には絶対服従
土屋、軍国主義者にさせられた、青年訓練所で3年間人ごろの訓練を、天皇の軍隊として死ぬことが最高の生き方だと、人間の尊厳ということを一言でも教えてくれる先生がいれば、親も先生も誰も教えてくれなかった、歓呼の声での出征
富永、戦争に反対した人は監獄に入っている、監獄に入らなかった人はいやいやながらであれ協力している、そこを徹底的に自己批判しておかねば、同じ状況になった時に同じ過ちを繰り返す、国民にも責任がある
戦後、日本政府は戦争責任を曖昧にしたまま、侵略戦争ということを認めていない
永富、長崎市長が天皇責任を口にして右翼に撃たれた、日本社会の反省の浅さが生みだしている
富永、侵略・犯罪は日の丸のもとで行なわれた、中国・東南アジアの人の拒絶反応の実感が残っており、言い伝えられている、国際感覚からすればアジアに広範にそういう人がいる
土屋、お詫びする以外なにもない、あちらの人は忘れることも許すことも絶対にできない、今回中国にいって心のそこからわかった、どうしたらいいか、平和・反戦・日中友好をするしかない、中国帰還者連絡会の取り組み
永富、償いのためにはアジアの人の気持ちを真に受け止めることが必要、そのためになら自分は犠牲になる、人を愛する力をもってほしい、それが戦争をくい止める力になる
体験を語り続けることが、生涯をかけた道
中国への侵略は、朝鮮・台湾・東南アジアでも行なわれた
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