国保料の地域格差だが、同じ収入であっても格差が生じているという。
年収200万円のフリーターでも、2.8倍の格差が認められている。
その格差をできるだけ小さく調整するところに国の役割があると思うのだが。
「地方も自己責任」では、どうにもならない。
政治の役割を見直していかねば。
県内は1・7倍差 西宮10万円超、佐用5万円台(神戸新聞、5月27日)
兵庫県内市町の国民健康保険(国保)の一人当たりの平均保険料(税)は、西宮市(十万八百十六円)が最も高く(全国では二十六番目)、最低だった佐用町(五万七千六百七十七円)の一・七倍だった。
高額の保険料が市議会でも取り上げられている西宮市の担当者は「市民所得が高く、国の調整交付金が低く抑えられる一方、市内には医療機関が充実し、市民医療費が膨らんでいることも一因」と分析する。
担当者は「国保の加入者は市民の四割程度。社会保険加入者との公平性から、市の補助で保険料を下げることも判断が難しい」と話す。
二〇〇五年十月に四町が合併して発足した佐用町は、〇五年度中は合併前の各町の保険料を維持し、〇六年度以降も同水準の保険料を設定している。同町は「都市部に比べ、平均所得が低いことなどが影響しているのでは」とみている。
市区町村が運営する国民健康保険の加入者が一年間に支払う一人当たりの平均保険料(税)は、二〇〇五年度は北海道羅臼町が十一万八千二百七十三円と最も高く、最も低い沖縄県粟国村の二万四千七百三十六円の四・八倍だったことが二十六日、国民健康保険中央会などの調査で分かった。
市区町村が定める保険料の一部は所得に応じて算出される。保険料が高い自治体では、二番目の北海道猿払村は比較的高所得の世帯が多いことが原因だったが、ほかではまちまちの傾向が見られた。安い自治体は、年金暮らしの高齢者が多く住民の所得が低いことなどが主な理由だった。
ただ年収が同じでも格差は見られる。「保険料は算定方法が複雑で分かりにくい。所得が同じならどこでも同じとすべきだ」(西村周三京都大大学院教授)と指摘する意見があり、制度の見直しが求められそうだ。
共同通信社が年収二百万円のフリーターでアパートで一人暮らしの二十五歳の独身男性のケースについて最近の保険料を尋ねたところ、羅臼町では十八万四千円(〇七年度)なのに対し、山梨県丹波山村では六万六千四百円(〇六年度)と二・八倍の開きがあった。両自治体の保険料が最高、最低とは限らず、このケースの保険料格差はさらに広がるとみられる。
現在、保険料は、それぞれの国保の財政に見合って定められるが、加入者の所得が低い国保には国や都道府県から投入される公費が多く配分されるなどいろいろな要素が絡み合っており、それらがこうした格差を生じさせているとみられる。
加入者一人当たりの〇五年度の年間医療費を見ると、羅臼町(約二十四万円)より、粟国村(約二十六万円)の方がむしろ高くなるなど、医療費と保険料の関連は見られなかった。
羅臼町は、保険料収納率が低いため国からの調整交付金がカットされ、担当者は「それも一因だが、なぜ保険料が高くなるのかはっきりとは分からない」と説明。猿払村は「比較的高所得の世帯が多いのはホタテ漁が盛んなため」としている。
国民健康保険
農林水産業や自営業者の公的医療保険として始まったが、無職者や退職後に健康保険組合などを抜けた高齢者らが増加し、2001年度には無職者と高齢者で5割を超えた。所得は低いのに医療費は多く、所得に対する保険料負担率が高いのが特徴。負担軽減のためさまざまな形で公費が投入されている。さらに赤字穴埋めなどのために市区町村が一般会計から特別に支出している法定外繰入金は、04年度は3855億円。ほぼ一貫して増加しており、市区町村は公的医療保険制度の一本化を主張している。保険料の収納率向上のため、保険税として徴収しているところも多い。
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