15日にCOP13が終了し、温暖化防止に向けた世界の新しい取り組みがはじまる。
この会議の中で、自国の責任を放棄しながら、途上国の責任を追求しようとしたアメリカに、強い批判が集まった。
それを最後まで弁護した唯一の国が日本。
こんなところまで情けない。
温暖化防止 2007バリ “最後まで対米追随の日本” メディア、NGOが厳しい批判(しんぶん赤旗、12月17日)
十五日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)について鴨下一郎環境相は、「われわれが配慮を示したので、米国が孤立しないことにつながった」と、日本の交渉姿勢を自画自賛しました。しかし、前向きの合意の成立を阻む米国に日本が最後まで追随したことに対し、各国メディアや環境NGO(非政府組織)から厳しい批判が出ています。
「もし会議をリードするつもりがないならば、どうぞ出て行ってください」―バリ会議最終段階で合意成立を露骨に妨害する米国代表に対し、パプアニューギニア代表は訴えました。米国に対する各国の怒りは最高潮に達しました。
「大小の発展途上国が米国を叱責(しっせき)しただけでなく、過去二週間にわたり(バリ会議で)米国に同調してきた同盟国であるオーストラリア、ロシア、カナダのどこも、米国弁護に立ち上がらなかった。日本の混乱した声明を例外として」―米誌『タイム』十五日付電子版は、その時の情景をこう描き、最後の最後まで米国に支援の手を差し伸べる日本の姿勢を皮肉りました。
環境NGOのフレンズ・オブ・アースは、途上国の温暖化対策のための技術移転用の資金を援助する提案に、米国、日本、カナダが反対して葬ったと指摘。バリ会議の合意内容を薄める要因となったと批判しています。
欧州メディアからは、「なぜ京都議定書誕生の地である日本が、温暖化問題に消極的な米国をいつも支持するのか」との疑問が出たといいます。
温暖化防止 2007バリ 「京都」後へ行程表採択 温室ガス削減 地球規模の行動へ一歩
「数値」は見送り(しんぶん赤旗、12月16日)
【ヌサドゥア(バリ島)=鎌塚由美】三日から開かれていた国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)と京都議定書第三回締約国会合(COP/MOP3)は十五日、次期枠組みの交渉内容を盛り込んだ「ロードマップ」(行程表)を決定し、閉幕しました。温暖化防止へ向けた地球規模の取り組みの新たな一歩を踏み出しました。
--------------------------------------------------------------------------------
会議は最終日だった十四日深夜も交渉が続き十五日午後に終了。ギリギリまでもつれ込み、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、インドネシアのユドヨノ大統領が採択を強く訴える場面もありました。
最大の排出国である米国が温室効果ガスを削減する自らの責任は放棄する一方、途上国の削減行動で強硬な態度を崩さなかった場面では、会場からブーイングが起こりました。途上国が「米国のリーダーシップを示せ」と一致して迫りました。
バリ会議は、すべての国が参加する作業部会の新設を決定。京都議定書を批准した先進国の次期削減目標を議論している現行の作業部会と並んで交渉する「2トラック」方式が採用されました。
遅くとも来年三―四月に新部会の初会合を開催し、〇九年末のCOP15で次期協定の採択を目指します。
決定文書で行方が注目された削減数値への言及については見送られ、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第四次報告」に基づき気候変動に対処する「緊急性」が盛り込まれました。先進国の排出量削減と同時に、途上国の排出削減の「行動」が明記されています。米国を含んでいない京都議定書に参加する先進国に対しては、削減数値を盛り込んだ文書が別に採択されました。
一三年以降の「ポスト京都」の検討では、▽ビジョン▽温室効果ガスの削減政策▽温暖化に伴う被害抑制策▽温暖化対策の技術▽投資・資金―の五つの分野を取り上げます。
会議で議長を務めたインドネシアのウィトゥラル環境相は、行程表の採択を歓迎すると同時に、「目の前には大きな仕事がある。交渉合意までの時間はきわめて短く、すぐさま行動を起こさなくてはならない」と語りました。
--------------------------------------------------------------------------------
ポスト京都の行程表 (骨子)
△国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第4次報告書に対応
△世界全体での温室効果ガス排出の大幅削減が必要
△気候変動に緊急に対処することが必要
△すべての先進国は適切な削減約束を検討
△発展途上国は適切な削減措置を検討
△すべての国が参加する新作業部会を設置
△作業部会は2008年4月までに初会合、09年に作業を完了
△ビジョン、緩和、適用、技術、資金と投資の5つの要件について協議
コメント