以下は、「慰安婦」問題と女性の人権を考える会編『「慰安婦」問題と女性の人権-未来を見すえて』(かもがわブックレット、2009年11月1日)に掲載されたものです。
--------------------------------------------------------------学び、悩み、行動する女子大生たち
2004年から、大学の3・4年生ゼミで「慰安婦」問題を学びの柱にすえています。教室で学ぶだけでなく、東京の「女たちの戦争と平和資料館」「しょうけい館」「靖国神社・遊就館」、韓国の「日本軍『慰安婦』歴史館」、西大門刑務所などに足をはこび、「ナヌムの家」では元「慰安婦」である被害者から直接証言をうかがっています。
夏休みに韓国を訪れた学生たちは、毎年「まわりの人にも知ってほしい」と各地で講演・発言の活動を行い、本づくりに取り組んでいます。
すでに出版されているのは『ハルモニからの宿題』(冬弓舎、2005年)、『「慰安婦」と出会った女子大生たち』(新日本出版社、2006年)、『「慰安婦」と心はひとつ 女子大生はたたかう』(かもがわ出版、2007年)、『女子大生と学ぼう「慰安婦」問題』(日本機関紙出版センター、2008年)です。
大学の授業は通常90分ですが、私たちのゼミは午後3時から8時まで、軽食休憩をはさんで毎週5時間となっています。
学びの中で心がけているのは、様々な立場の文献に広く目を通すこと、たくさんの映像で事実や主張をリアルに学ぶことです。今年の3年ゼミでは謝罪や反省は必要ないとする秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』(新潮社)や、日本会議/英霊にこたえる会『私たちは忘れない』、靖国神社『みたまを継ぐもの』などの映像も検討しました。
学生たちには、学びに応じた坦々とした成長があるわけではありません。政治や社会の問題については「いつでも中立でいたい」という気持ちがあり、「あの戦争は正しかった」という身近な人たちの強い声に困惑させられ、自分の中にある無自覚の「愛国心」に直面したりもします。
そうした迷いや葛藤の中で、お互いの意見や姿勢に学び、励まし合いながら、自分の歩むべき道をそれぞれが苦労して模索してゆくのです。
さて、今年の3年生たちは、どんな育ちのドラマを見せてくれるでしょう。
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