以下は、兵庫県労働組合総連合「兵庫労連」№187、2011年1月号に掲載されたものです。
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2011年春闘への期待
今年度は私も大学教職員組合の委員長なので、兵庫労連のみなさんへの連帯の気持ちも特別強くなっています。
私たちの組合は、昨年、私大教連に正式加盟しました。賃金・待遇改善の取り組みをよりしっかりとしたものにするのが目的です。年末には、過去10年分の「財務三表」を分析する学習会を行い、経営の実態をつかまえる努力をしてきました。それらの取り組みは、組合のホームページにもアップしています。「神戸女学院大学教職員組合」で検索してみてください。
〔経済的な利害のぶつかりあいから〕
新年のメッセージですから、ちょっとカッコよく学問的な文章も引いておきます。テーマは、政治の動きを読む方法です。これについては、エンゲルスという人の次の文章が的確です。
現在進行中の政治を見るには、「政治的闘争を、経済的発達から現存の社会階級および階級分派間の利害の闘争に還元すること、そして個々の政党が、これらの階級や階級分派の多かれすくなかれ適当な表現であることを証明すること」が必要だ。
現代日本に置きかえるなら、大企業・財界とその他の国民とのぶつかり合いが、財界の利益を守ろうとする民主党や自民党等と、労働者の生活を守ろうとする共産党等との衝突になってあらわれるということです。
4月からの法人税減税などは、そうした経済的利害をめぐる動きの典型ですね。財界については「日本経団連」のホームページを見てください。1600人ほどの大企業経営者たちが、何を考えているかが良くわかります。
〔「労働者を大切にしろ」という思想を正面から〕
フランスで、イギリスで、イタリアでと、年末のヨーロッパには、たたかう若い力が、いろいろな形で爆発しました。社会保障や学費や首相の不信任など。そうした行動の根っこには、権利についての意識があります。「われわれがこんな扱いをうけていいはずがない」という気持ちです。
日本の運動にもそれが大切です。私は最近「政策だけでなく思想を」といっているのですが、どんな問題でも問われるのは「経済界の利益か国民・労働者の利益か」「自己責任かそれとも国が国民を守るべきか」といった根本的な問題です。
そこで「国民を大切するのは国の責任だろう」「労働者を大切にしない政府をいつまでゆるしておくのか」、それらのことをもっとストレートに、打ち出すべきではないかと思っているのです。ぜひ春闘討論の話題の一つにしてください。
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