1)宿題回収。全員提出。
2)ビデオ『私たちは忘れない--追悼・姜徳景ハルモニ』と「05年の水曜集会の様子」をながめ,意見を交換していく。
3)前年までのゼミの意見はあるが,それを「正しいもの」と前提しないで,1つ1つを自分たちのアタマで考え,確かめていくとの方針を確認。
4)ハルモニの証言だけで真実を決めることはできない,では「慰安婦・慰安所制度」の実態はどうすればわかるか(残っている資料がある→吉見さんが発見して「朝日」にも掲載された→もっとたくさん資料が見たい→1冊の本にまとまっている→それを確認していきたい)
5)ビデオの中の姜徳景さんはなぜ日本語が話せるのか(「慰安所」で強制されたからではないか→日本人にはたらきかけるために学んだのでは→植民地時代の教育制度のため→植民地になったのはいつから→そもそも植民地って何?→歴史をしっかり学ぶ必要がある→日本の歴史もアジアの歴史も)
6)「責任者を処罰せよ」は責任者を昭和天皇としているが(天皇って何?→オカアサン世代は天皇の番組が好き→象徴って何?→戦前・戦中の日本の政治は→天皇主権の実態はどうだったのか→戦争は軍が独走したという意見もあるけれど→天皇制と戦争のかかわりを学ぶ必要がある)
7)元「慰安婦」はどうして90年代になって「証言」や告発を開始したのか(セカンド・レイプを恐れた→自分の体験を自分なりに昇華するのに50年が必要だった→韓国社会の歴史がある→朝鮮国は戦後南北にわけられた→そのもとで戦争がある→韓国には軍事独裁政権がつづき自由がない→80年代おわりにようやく民主化がはじまる→フェミニズムが「レイプは被害者でなく加害者が悪い」とのパラダイム転換を社会にもちこむ→日本政府の無責任な発言を知る→両者が重なった→韓国や朝鮮の歴史を知ることも必要)
8)「慰安婦」の実態についても良く知りたい(日本人の「慰安婦」はいたのか→海外にも国内にも少なからずいた→生前の「証言」はないのではないか→日本に残った朝鮮人等による「証言」はある→戦中には「遊廓」があり,戦後も買売春が50年代まで合法だった→女性差別・民族差別・「売春婦」への差別意識があった→「遊廓」の女性の多くは貧困から売られた女性)
9)日本政府の「慰安婦」問題での態度は(民間業者がやったこと政府は無関係との態度だった→防衛庁図書館からの資料で態度がかわる→しかし65年の日韓基本条約で国家間の賠償は終了との態度→村山内閣が民間の「アジア女性基金」をつくる→受け取った元「慰安婦」もおり,「国家責任を曖昧にするもの」と拒否した人もいる→65年の条約自体の問題もある→日本側は援助・独裁政権の韓国側は賠償だと→受け取った金を被害者に渡さなかった韓国政府の問題もある→個人の人権にかかわる賠償請求権を国家が奪うことができるかという問題もある)
10)さて何を学んでいくか(すでに出たものにくわえて今の韓国の「慰安婦」問題についての意識→日本人の意識も→「女たちの戦争と平和資料館」はぜひいってみたい→ついでに靖国神社も)
11)とりあえず以上の諸論点に広くかかわる文献として,吉見義明『従軍慰安婦』を次回から2回で読んでいく。次回は127ページまで。全員がその範囲の問題で「ここを深めたい」と思った論点について調べ,レジュメをつくり報告のこと。それ以後のテキストについては次回相談。
12)ゼミ名簿作成の作業をする。ゼミ内部の係の分担を決める。
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