1)はじめに「私にとって仕事とは何か」を考える。①それによって経済的に自立する,②それによって社会に貢献する,③それによって自分の能力を高める。その3つの角度から「30才の私」「40才の私」を設計していくことが必要。ただし設計には材料が必要で,たくさんの大人に「なぜその仕事についたか」「ふりかえってどう思うか」「私へのアドバイスは」「20才の頃には何をしていたか」など思いつくインタビューを重ねること。それをノートに書き込みながら,「自分はどうするか」「今何をすべきか」を考えていくこと。あとは,やるかやらないか。
2)「新聞から読み解く日本経済」の第2回目。「構造改革」政策の実態と,その推進主体である財界の政治介入が柱。①02年日本経団連の創設時に重視されたのは政府への政策提案能力の強化。それを具体化する場,として01年からの経済財政試問会議がフルに活用されている。同会議は議長(首相)の他10名の議員からなり,うち4名が民間議員(2名は財界から奥田碩・牛尾治朗氏)。01年5月の小泉内閣下での第1回会議で,首相は「構造改革」の「大方針」に肉付けを行う「最も重要な会議」と位置づけた。
3)②経財会議では「構造改革」の具体化と毎年の予算の策定が行われる。その実施にあたっては,会議は各省庁より一段高い位置にあり,これを指示する立場に立つ。③会議の具体的運営は,実際には民間4議員がリードする。本会議に先立つ「4人会」が行われ,さらにその前の段階では日本経団連職員も参加した,民間4議員議案の検討が行われる。その根底には,70ほどの小委員会にわかれての日本経団連による日常的な政策(意見書)立案活動の集積がある。
4)④03年の奥田ビジョンは,政策実現にむけた「政党の自己変革」を明記した。それが「最優先政策事項」にもとづく自民党と民主党への評価であり,評価に応じた献金の斡旋(04年の件金額は両党合計で22.6億円)。どちらにころんでも財界の政策が実施される「二大政党制」づくりが当面の目標。経団連事務局幹部はすでに「経済政策では,自民党と民主党に違いはない」という。⑤06年5月の総会でキャノンの御手洗富士夫氏が日本経団連会長となるが,同社の外国人持ち株比率は50%を超えている。現行の政治資金規制法では企業献金ができないが,その制約を取り払うことが自民との協議で確認された。日本財界へのアメリカの投資家(機関投資家を含む)の影響力が,直接政権党にも届くこととなる。
5)⑥宇宙の平和利用原則は69年に確認されたが,04年に政府は実際上「防衛」目的であれば宇宙の利用を認めることに方針転換。同文書「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」を策定した総合科学技術会議宇宙開発利用専門調査会には,日本経団連の宇宙開発利用推進会議会長・谷口一郎(三菱電機会長)氏が加わっていた。すでに日本はアメリカの「ミサイル防衛」に参加している。この転換によって「防衛」をたてまえとした軍事衛星開発に乗り出すことが目的である。⑦改憲にむけた意欲の増大には,日本経団連の防衛生産委員会会長である三菱重工・西岡喬氏による武器輸出3原則の見直し要請に代表される,防衛産業の利殖衝動も大きな役割を果たしている。
6)レポートの課題は「最近読んだ経済記事をコピーし,それを自分なりに解説する」というもの。解説は400字程度。締め切りは5月23日。メールで提出。こちらで確認すれば「受け取った」旨の返信を打つ。
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