1)いくつかの相談のあとは,卒論検討。「なぜ結婚しない女性が増えたのか」(源太さん)。この場合の結婚には「事実婚」をふくんで考える。晩婚化・未婚化の理由として一般にあげられるのは,女性の社会進出や男女の所得格差の縮小。それにより女性には,職を失うことへの恐れが拡大し,他方で男性の所得に依存することの必要が低下した。ただし,仕事と結婚を両立させうる社会環境があれば,職は結婚といつでも対立するわけではない。とりわけ男女共通の労働時間の短縮と,保育所など子育て施設の充実は重要課題。
2)あわせて女性の経済的自立は,結婚(少なくとも同居)を回避するという女性の人生選択を可能にしている。「男の世話をしたくない」「余計な家事がふえるだけ」「自分の自由が制限される」といった具合。この新しい「文化」の問題も考える必要がある。
3)また非正規雇用の拡大は男性の側に,新たな「結婚できない」事情を生み出している。「結婚できる収入ではない」という問題である。これは先進国に共通した晩婚化・未婚化現象とは別の「格差社会」「下流拡大社会」に象徴される最近の日本的な問題である
4)今後の検討の方向としては,日本よりも女性の労働力率がはるかに高く,また男女の賃金格差がはるかに小さく,しかも日本より出生率が高いラインにとどまっているスウェーデンなど北欧の国との比較が一案となる。そこからなんとか「大きなレポート」にとどまらない,個性ある「自分の論文」へと議論の方向をふくらませたい。
5)9月28日(木)が卒論初稿の提出日だが,その前の8月9日(水)には中間報告とするべく夏休みの「当校日」をもうけることとなる。また「憂さ晴らし」のゼミ旅行は9月19~21日が第一候補。
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