1)最初に誕生日のお祝いがあり,そのあとは各自の卒論相談。「日韓関係を良くするには」(川元さん)は,結局,日韓基本条約の内容,条約締結の経過,その問題点をさぐるものになっていく。関係文書の公開が韓国で行われ,大きな衝撃を与えたが,そこらあたりまで目をとどかせられると面白くなるか。
2)「結婚しない女性が増えた背景」(源太さん)は,日本女性の未婚化・晩婚化に焦点をあてるもの。問題の1つは,その場合の「結婚」とは何かということ。法律婚なのか,あるいは事実婚を含むのか,それによって各国の統計評価も大きくかわる。他方,未婚化・晩婚化の進展は先進国に共通する事態でもある。日本の特殊性をいう前に,その共通性がなぜ生まれているかを問題にする必要があるように見える。
3)「仕事か家庭かの選択を迫られないために」(南方さん)は,その両立に必要な社会環境を法制度に注目して考えようとするもの。1つは,現在進行形の雇用機会均等法「改正」をめぐる議論にどこまでついていけるかが問題になる。他方で,育休など雇均法以外の労働法制にも目を広げる必要があるようだが,その焦点をどのようにしぼっていくか。北欧やヨーロッパとの比較もできれば面白い。
4)「在日韓国・朝鮮人と日本人との結婚を考える」(坂下さん)は,在日コリアンと日本人との婚姻手続きの煩雑さを問題にするもの。国際結婚一般と在日コリアンとの結婚の法的手続きの煩雑さの違いがどこにあるかが1つの問題。2つには両国ともに「戸籍」制度があるという東アジア独自の問題もあるか。他方,3つには文化の共通性をもって在日コリアンとの結婚のみを簡素化することが適切かどうかの問題もある。
5)以上,いずれも何を考えるかについては方向性が定まりつつある。次回以降の報告では「これから何を勉強するか」ではなく,「すでに行った勉強の中間報告」をしてもらうことにする。
最近のコメント