テキスト97~106ページを読んでいく。まずは男性の子育てに関与する時間の貧しさ。労働時間の問題,ロールモデルの不在,「男らしく」の生育歴などの要因がある。
女性の子育てにかかわっては「3才児神話」の問題が。女性の企業社会からの排除と乳児保育施設をつくらないことの大きな理由とされたものだが,子どもの発達に「母親的人物」の他に「子ども社会」が必要なことは否定しようがない。きわめて意図的な「神話」であり,いまだにこれにとりつかれたところから「母子一体」の病理が生まれていることへの責任も重い。
保育所は子どもの健やかに育つ権利と,親の労働の権利を保障する福祉施設。子どもの権利保障については,①「保育に欠ける」子どもを保育する義務,②保育所の最低基準の設置,③公費による保育経費負担の3つがある。尼崎市長選での「市民派」市長誕生の発端も,これに深くかかわっていた。
第9章「ゆらぐ日本型雇用」に入る。日本・韓国・イタリアのM字型雇用に対して,北欧を筆頭にヨーロッパ・アメリカも逆U字型。女性の社会進出が少子化の主因との議論があるが,出生率が低いのはM字型の方。問題を家庭や男女関係に解消することはできない。
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