NHKスペシャル「ラテン・アメリカの挑戦」から第2回「格差からの脱出」を見る。
とりわけブラジルとチリの改革に焦点をあてたもの。
60年代の植民地独立が,今日にいたる世界構造変化の大きな波だとすれば,今日の経済成長は「金融的・経済的従属」を断ち切る第2の大波。
BRICsは,いずれもアメリカのイラク戦争に反対した国。これを単純に覇権国の交代と見るのは適切ではない。
とりわけブラジル等のサトウキビを原材料としたエタノール生産は,アメリカの石油による世界支配を危機に陥れるものとなる。
06年1月ブッシュ政権はあわててエタノール生産の強化に乗り出すが,独自の生産技術は,ブラジル,オーストラリア,中国,インド,EUなどにもある。「独占」が可能な状態ではない。
脱アメリカ支配のきっかけとなったのは金融的従属と引き換えの「新自由主義」政策。規制緩和,民営化,アメリカ企業の受け入れが,景気の二極化を生み,スラムの拡大を生んでいく。
日本の現状に似たところが多い。ただし議会制民主主義のより進んだ日本にあっては,投票民の意識管理が強くはたらく。マスコミと教育がその大きな力をなす。かしこい国民の成長が求められている。
最近のコメント