最後の授業であり,簡単な「まとめ」から入っていく。
経済や政治など権力にかかわる領域での女性の低い地位,
家庭の中での依然低く抑え込まれた地位。
これらについては,政治的権利,財産権などの経済的権利の格差,
また今日の経済的自立の条件の欠如などからかなりの説明がつく。
そのなかで,いまだに自分で整理がつかないのが性暴力の蔓延や,
「フーゾク産業」隆盛の問題。
学生とともにビデオで「実録! フーゾク嬢の真実」を見る。
テレビ番組「アンテナ22」をゼミ生が録画してくれたものである。
「フーゾク嬢」をめざす年間の面接者はなんと15万人。
コンビニでも売られる業界誌には「フーゾクアイドル」が演出される。
収入は確かにいい。
「キャバクラより,オッパブより,いちばん稼げる」と本人もいう。
しかし「後ろめたい」「一人でいると孤独」
「(お客から)電話がかかってくると(気分が)落ちる」。
「好きな人がこういう仕事やってたらいや」
「カレシにも親にもいってない」。
「でも毎月仕送りはしてる」「人にどうこういわれることではない」。
当人たちも自分の気持ちがうまく整理できていない。
どこかに心の「闇」が見える。
「女優」「演じる」という言葉が印象に残る。
その時には自分ではない誰かになって「仕事」をする。
そうしなければ,やっていけない自分がある。
若い彼女たちを雇うたくさんの経営者がおり,
彼女たちのサービスを購入する大量の男たちがいる。
この現実を,
社会の仕組みの問題としてどのように整理することができるのか。
今後への課題。
次回は,期末のテストである。
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