テキストを読み進めていく。
「はじめに」からは,ケント・カルダー氏の「隣国と対話できない日本は,米国にとっても役に立たない」(06年4月)をザッと解説していく。
第1回東アジアサミットが終わったあとの発言であり,アメリカの東アジア政策はかなり大きな転換のあと。
もはや,止めようのない東アジア経済共同の進展の中で,どれほどにアメリカ資本の「自由」の効いた共同になるのかどうか,そのルールづくりの話し合いの中で「対話できない日本は,米国にとっても役に立たない」。
そこで「ポスト小泉」にアメリカは強く中国・韓国等との「対話」を求めていく。自民党総裁選の結果は,最右翼の安倍氏の当選となるが,その安倍氏がまっさきに中国・韓国への謝罪に飛び立つ。
国内における靖国派の力の強さ,日本の政治権力に対するアメリカの支配力の強さを痛感させられた瞬間であった。
「第1章・気がつけば『メイド・イン・チャイナ』」を読んでいく。
「安かろう,良かろう」の中国製品はアメリカでも大変な人気である。特に,中国企業ハイアルーとコンカが,中国製の電子・電器製品の性能の高さを証明した。
アメリカ資本の中国進出が,アメリカ国内では雇用空洞化として問題になっている。
メディアの中国熱もきわめて高く,ワイドショーでの特集番組も繰り返し行われる。その一方,新聞・テレビへの日本の露出は急速に低下している。
アンケート調査によるアメリカ人の中国観は急速な変化を遂げている。特に経営者の中国に対する好感度は高く,これに準じて一般市民の好感度が高い。もっとも低いのが政府のスタッフとなっている。
とはいえ,アメリカ政府は中国との関係を,世界に対する責任の共有へと移しつつあるから,政経の熱の格差も,日本とはまるで違ったものとなる。
こうした世界構造の大きなな変化のなかで,日本にはこれに対応した外交戦略がない。さて,日本の行く末はどのようか。
最後に,全員に,今日の授業で「はじめて知って驚いたこと」「さらに突っ込んで知りたいこと」を書いてもらう。
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