テキスト第2章の竹中流経済政策を読み進めていく。
「構造改革」路線成立にいたる大枠の話として、大型公共事業推進の経済政策から「構造改革」中心型の経済政策への転換過程を、橋本内閣の97年・98年の右往左往と、その背後にあった財界内部の主導権争い、さらに2000年の小泉総裁選出の選挙を紹介。
さらに具体的な政策として、「失業は本人が役に立たないからである」「商店街の疲弊を当然視」「儲けるものに優しい税制づくり」「社会保障は『たかり』である」を見ていく。
要するに、製造業多国籍企業を中心とした大企業の「競争力強化」を名目に、大企業の法人税や高額所得者の所得税率は引き下げながら、消費税や人頭税など累進性のない一律税制を強めていく。
また「競争力強化」のためのリストラは必至とされ、それを「失業は本人責任」として合理化し、さらに賃金カットについても個人資産の運用で乗り切れという主張をする。年率5%の運用で、500万円の利益をあげるためには、1億円のもとでが必要である。それがどうして一般サラリーマンに可能なのか。
さらに「競争のもとでの自己責任」が強調され、大型店舗との競争でつぶれる商店街は仕方がないとされ、さらに税や社会保障による「所得再配分」を「たかり」とののしっていく。そこには人権擁護のための連帯という思想がまったく抜け落ちている。
こうした政策が今日、どのような社会問題(貧困)を生み出しているかについて、次回はビデオで確認していくことにする。
最近のコメント