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外圧(特にアメリカの圧力)に屈しない、中国の外交のしたたかさを、特に元切り上げを求める為替政策に焦点をあてて論じた部分。
外国為替とは何か、固定相場制と変動相場制などの基礎知識から、85年の「プラザ合意」に象徴される、アメリカの圧力にもとづく円高政策の実施とその影響などを解説。
あわせて5月の第2回米中経済戦略対話の内容も。アメリカ議会からは、直近の元切り上げ合意ができなかったことについての不満が出ているが、ポールソン財務相はむしろこれをおさえにかかっている。
東アジアの生産ネットワークの中で、中国は最終的な組立基地としての色彩が強く、周辺国から部品輸入を行っていることを考慮すると、元切り上げが、中国製品の輸出競争力低下に直結するわけではない。
ポールソン氏はじめアメリカ政府の行動は、その点を理解した上でのことかもしれないが。
いずれにせよ中国の外交は、自国の利益を優先し、その上でアメリカとの利害調整をはかるという当たり前の立場に立っている。
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