前期末試験となるレポートの課題を紹介する。
①「構造改革」とは、どのような改革ですか。日米関係、財界の中心勢力の変化、党主導から官邸主導へという3つの角度から述べてください。
②「構造改革」は、国民生活にどのような影響を与えていますか。国際競争力の強化、自己責任、ワーキングプアという3つの言葉をもちいて説明してください。
A4・1枚、①②とも1000字程度ずつ。締め切りは7月27日(金)。
提出先を教務課としたが、文学部事務室前の誤りであった。
テキストは第5章へすすむ。
「構造改革」の対米従属的性格の歴史的淵源の話。
占領下での日本財界に対するアメリカの評価は「最大の戦争潜在力」(45年ポーレー報告)から、戦後復興に有益(48年ロイヤル演説)へとかわる。
背景にあったのは、47年のトルーマンドクトリンに象徴される戦後の世界支配戦略のアジア地域への具体化であり、中国での革命の進展。
復活した財界は、同時にアメリカ市場への過度の依存にも追い込まれる。貿易の決済をドルで行うとするIMFのルールにもとづく、日本財界はドル確保のための対米輸出を至上とする。
今日、「構造改革」政策を推進する財界中枢の企業は自動車・電気機械だが、これはアメリカ市場が格別に高い産業でもある。「アメリカに買ってもらわねばなりたたない」性格は今日もつづき、「日本の景気よりアメリカの景気」を重んずる姿勢もここから生まれている。
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