最後の授業。テキスト150~174ページを読んでいく。
財界による法人税減税の要求が、研究開発投資やIT投資にかんする政策減税につながった。大企業ほど恩恵の高い減税である。他方、減税分の埋め合わせは、累進課税をとらない消費税に求められる。
小泉首相によって「構造改革」の本丸は位置づけられた郵政分割・民営化は、日米財界からの要求にもとづく。アメリカからの要求に対する反発は、靖国派・平沼赳夫議員の自民党離党という形でもあらわれた。
「基本方針2006」は、「構造改革」の新しい到達点を含む。1つは官邸から「抵抗勢力」と呼ばれた自民党自身が歳出削減の方針を出すにいたったこと。2つは経済産業省がまるごと日本経団連の下請け事務局の様相を呈してきたこと。これらは、いずれも財界による経済政策支配の深まりを意味する。
他方、3つは「再チャレンジ支援」をいわずれにおれなくなってきていること。ただし「構造改革」そのものの修正はないので、「支援」は、自己責任論を前提に問題を個人の努力に解消するものとなっている。
2001年小泉内閣発足から今日までをふりかえるなら、一方で「構造改革」の急速な進展があり、他方でそれによる財界と国民の矛盾の深まりが顕在化している。2007年参院選での自民党大敗は1つのあらわれ。
財界は二大政党制の確立で、国民の不満を懐柔しようとしており、二大政党の「構造改革」・改憲路線と国民利益との「ねじれ」への理解の進展が求められる。
以上、第3章まで終了をもって、授業は終わり。
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