ビデオ「NHKスペシャル/ワーキングプアⅠ&Ⅱ」をあらかた見る。
時間が足りないので、最後はカットし、以下のような解説をそえる。
①ワーキングプア大量発生の仕組み。1つは大企業・財界による人件費削減策。典型は非正規雇用の拡大。低賃金の外国人労働者の導入が、人件費引き下げ「競争」に拍車をかける。
②2つは政府による「自助努力」の名による社会保障の抑制・削減。そうして国民生活関連部門から引き上げられた税は、大型公共事業や軍事費に投下されている。
③3つは政府による一般市民への増税(法人税・高額所得税は減税なのだが)。財界・政府はさらなる消費税増税を緊急課題としており、民主党も衆議院選挙後にはこれに応ずる意向。
④日本の労働力人口の80%が労働者だが、その3人に1人が低賃金の非正規雇用。これが日本経済全体の個人消費の萎縮を生み、商店街や中小業者の疲弊を生みだす。以上が、ワーキングプア急増の基本の仕組み。
⑤国内消費の萎縮は大企業にとっても問題となるはずだが、今日の大企業・財界の主力は海外市場への依存度が高い多国籍企業。実際、大企業の利益は5年連続拡大し、史上最高を更新している。
⑥大企業の莫大な利益と増えるワーキングプア。この経済の二極化が「自己責任」「勝ち組・負け組」論で合理化され、貧困から這い上がることができないことが「個人責任」だとされていく。それが、市民各人の閉塞感や生きることへの希望の喪失を深めていく。
⑦現状打開の策としては、1つは大企業・財界に対してキチンと抗議の意志を示すこと(今シーズンの組合の春闘は特別に大切)、2つは「財界いいなり」の政治の姿勢を変えること。市民は財界人を選ぶことはできないが、政治家は全員決めることができる。市民が賢い選択をすることが肝心。そのためにもしっかりとした学びを。
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