最後の授業。憲法「改正」論議と女性の地位をテーマとする。
雇用における男女平等の推進には、①性差別の撤廃(24条)、②人間らしい労働条件(28・29条)、③社会保障の充実(25条)が必要。憲法はそれらを実現する重要な指針となっている。
しかし、その憲法を否定する動きが、与党から公然と打ち出されている。
自民党の改憲案は、①かつての戦争への反省をやめる、②自衛軍の海外派兵を可能とする、③個人の権利の上に政治をおく、④改憲発議を国会の2分の1の賛成で可能とする、というもの。
改憲案作成過程で、自民党は家族を「美しい国」に引き戻すことも議論した。国の乱れは家庭の乱れから、家庭の乱れは母親不在から、母親不在は女性の社会進出から、女性の社会進出は男女平等の思想から、という飛躍した論理の連鎖から、男女平等そのものを敵視する。
その動きを代表するのが「美しい日本をつくる会」。これは公然と男女共同参画社会基本法の撤廃を求める。
「美しい日本」とは明治以後の天皇主権の時代のことだが、明治民法は女性に「三界に家なし」と呼ばれる無権利状態を実現した。
女性が安心してはたらくためには、①憲法はじめ今ある権利をしっかり守ること、②その権利を現実のものとしていくことが必要。②については、労働基準法など、はたらく者の権利をしっかり学び、仲間をつくり、勇気をもってそれを主張することが必要となる。
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