第1章「基礎的データにみる日本経団連の変貌」に入って、21~47ページを読んでいく。
経団連の会長・副会長・議長・副議長企業の変貌を、1970~2006年の推移にとらえていく。
第一の特徴は「企業規模の巨大化」。第二は「産業構造の高度化」、その内容は鉄鋼・化学・セメントなどの重厚長大から、自動車・電機などの加工組立・ハイテク産業への移行。
第三は「正規雇用の大幅削減と非正規雇用への転換」、企業の巨大化にもかかわらず36年で正規雇用者は3分の1に減っている。他方で、90年代末からサービス残業も急増。
第四は「売上にしめる輸出・海外売上高の比率」の急上昇、会長・副会長企業に限定すれは2006年は49.0%、さらに上位10社で日本の輸出の3割を占める。
それにもかかわらず70~80年代のように「日米貿易摩擦」が激化しないのは、日本の最大の輸出相手が東アジアに移り、アメリカにとって最大の貿易赤字相手国(地域)がやはり東アジアに移動しているから。
この日米経済構造の変化を生み出した土台も東アジアの成長である。
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