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「豊田ビジョン」は、「小さな政府」と大型公共事業の両立が可能だと判断したが、実際には、公共事業予算は削減される。
国・地方合計で90年代45~50兆円だった公共事業予算は、00年代に入ると30兆円を割るまでになる。それによって「首都移転」は事実上、放棄された。
他方で、国際競争力強化を名目とした都市部の空港・港湾・道路整備は継続する。予算総額は減少したがこれが少数大手ゼネコンに集中的に投下され、彼らの利益は守られる。
大阪(伊丹)・関空・神戸空港の関係をみても、空港乱立が競争力強化の実質をもたないことは明白。
結局「構造改革」は、「格差社会」と国民への「痛み」の際限のない押しつけをもたらした。ただし、それに対する国民の反撃も大きな力をもちつつある。
「格差」の元凶である非正規雇用の拡大では、経団連会長企業のキャノンがその縮小路線に転換せずにおれくなっている。他方「痛み」の最近の象徴といえる後期高齢者医療制度については、それを理由に自民党支部の解散までもが起こっている。
そこには「構造改革」路線の行き詰まりが、強く、深刻にあらわれている。
レポートの課題を示す。締め切りは8月1日(金)13時00分。提出先は総合文化学科事務室前ボックス。
「『構造改革』を推進する財界の内部構成の変化と、その自民党に対する献金の様変わりを説明してください」(2000字まで)。
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