冒頭15分ほどを、卒論のためにアンケート調査をする人間科学部の学生にゆずる。
さらに『週刊・東洋経済』(10月18日号)の『本当に強い大学2008年』から、いくつかの項目を紹介する。
前回の復習から、「景気」と「経済」を区別すること、「景気」(企業の利益)が急速に拡大している大きな理由が、①人件費の抑制、②中小企業いじめなどにあることを確認。
テキスト25~38ページを読んでいく。中小企業の「景気」を圧迫するのは、1つは製造業分野での下請単価の抑制。もう1つは小売業・飲食業などのサービス産業が、最終消費者(8割は労働者家庭)の消費力の萎縮(人件費抑圧で)によって売上を上げられないこと。
大企業の「景気」と国民生活の乖離の要因のひとつに企業の海外進出による「製造業の空洞化」がある。企業活動の「自由」をいうだけでなく、雇用・関係中小企業・地域経済などへの影響を点検し、次善の策の徹底を当然視する「移動への規制」が必要となる。
経済は個別企業の活動を中心軸に組み立てられるものだが、これに対して国家(政治)が介入する経済政策が実施される。初期の資本主義にあっては、この介入は大きな規模のものではなかったか、経済における大企業中心主義が確立し、さらに戦争や大恐慌をへて、国家の経済への介入が恒常化する。
現代の日本ではこの恒常的な介入の内容に、アメリカ政府(財界)の意向が強く反映している。90年代の「構造改革」はこれを大きな柱としてきた。金融ビッグバンや大店法の撤廃などはわかりやすい代表例。
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