前回の復習として、100年前の少数大国による地球全体の支配、45年の国連成立時の加盟国51、植民地体制の崩壊により今日の加盟国は192といった、大きな世界構造の変化を確認。
その上で、テキスト21~33ページを読んでいく。「2・『フランス植民地帝国』の崩壊」は、世界構造の大きな変化を、フランスの「植民地帝国」から「植民地なき独占資本主義国」への個別の変化をつうじてながめていくもの。
この変化の原動力はかつてレーニンが語った「東洋の力」であり、またそれを受け入れずにおれなかったフランス国内の世論の変化である。旧植民地とのあいだに、フランスがいくつもの協力協定を結び、独立国同士の親密な関係を形成していく点も特徴的。
日本の戦後をふりかえれば、そこには植民地保有の是非をめぐる国民的な葛藤の時期がまったくなく、それが大きく影響して、戦後も友好関係のもてない国を多くもつ。
「3・戦後史における国連の変化」は、創設直後の国連と今日の国連としての内実の変化をおいかけるもの。植民地解放を憲章に書き込むことのできなかった創立時の国連だが、60年には総会で「植民地独立付与宣言」を採択する。
また紛争の平和的解決の大きな障害となる核兵器の廃絶についても、旧植民地地域を主とする非同盟諸国会議等がイニシアチブをとっていく。
ベトナム戦争以後、特定の国による特定の戦争を国連憲章に照らして批判するということが国連総会で行われるようになる。イラク戦争も国連の合意のない戦争だが、非同盟諸国が安保理の公開協議を実現させるなど、「帝国主義」政策を包囲し、孤立化させる力の強まりが確認できる。
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