前回授業の「中国人強制連行」を受けて、学生たちから「花岡事件」について調べたことの報告がつづく。
1942年に財界の要望を受けた政府が、中国人強制連行を閣議決定する。これによる犠牲者は4万人ともいわれ、いわゆる「花岡事件」は、最後にいたる18ケ月の出来事をいう。
鹿島組(鹿島建設)との和解が2000年に行われるが。鹿島建設は「遺憾の意」を表したものの「謝罪」の誠意は深くなく、それが和解以後にも問題を残す。
強制連行は国家政策だったが、必ずしもすべての日本人が中国人犠牲者につらく当たったわけではない。限りはあったが、人間らしいつきあいに苦慮した日本人もいた。
調べた学生たちは、犠牲を数字でながめがちだが、その背後にたくさんの家族があり、友人があることの重さに心がとどくようになったという。
あわせて、インターネットで調べた時に、かつての戦争については両極の意見が氾濫しており、これに混乱させられるとも。
残り時間に、田母神問題と自衛隊の内部教育や広報センターの実態、また9条の会全国交流集会の様子を紹介し、あわせて他人の意見を鵜呑みにするのが学びではなく、それを「事実」に照らして確かめ、鍛え上げていくことこそが本当の自立した学びであるとも強調してみる。
ヒューマニズムと真理(科学)とは、やはり区別されるべきものとなる。
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