学生による授業評価アンケートを紹介。
テキスト第5章「『慰安婦』問題に見る世界構造の変化」を読んでいく。
まずは『歴史教科書への疑問』から安倍氏の発言を紹介していく。これは「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の勉強会の報告だが、安倍氏は勉強会の講師をつとめた吉見義明氏はおろか、河野洋平氏の発言さえまとも検討していない。
関連して「心優しい民族」「『慰安婦』はほとんどが日本人」と、同現会長の中山氏の発言も紹介。
次に、07年3月に国会で行われた安倍氏による「慰安婦」問題謝罪不要発言の前後の流れを見ていく。3月1日、5日と2度の発言があったが、これに対してアメリカのメディアがかみついていく。またマイケル・グリーンや国務省等、アメリカの決議を阻止するべく動いていた流れさえもが、これですべてをあきらめる。あまりにヒドイ発言ということであった。
3月9日を転機に、安倍氏は発言をとりやめ、沈黙による事態の鎮静化をはかり、4月末には訪米の末に謝罪を行う。
「慰安婦」問題のそもそも論については、テキストのいくつかの論点を紹介したのみ。
さらに安倍発言に先立つ、アメリカでの06年の下院外交委員会での決議採択にはじまる日本政府のロビー活動も紹介。中間選挙での民主党勝利をへて、政府が雇うロビイストは共和党から民主党に交代される。安倍発言は、じつはこうした一連の流れのピークであった。
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