学生による授業評価アンケートを紹介。
テキスト230~254ページを読んでいく。
ブレトンウッズ会議がさだめたアメリカの「ドル特権」。これを手放したくないアメリカにふりかかる60年代末のドル危機、71年のニクソンショック、そして長期の一貫したドル安傾向。
「特権」維持のためのドル価値の維持をはかるために、一方で、アメリカは海外にアメリカからの輸入を促していく。典型となった日本の動きは、工業製品の輸出のかわりに農業製品輸入を拡大するもの。「牛肉・オレンジ」にはじまり、これによって日本農業は衰退への道をたどらされる。
他方、ドル価値の維持を貿易収支の利益とするのが日本と中国。高いアメリカ市場依存を武器に成長した両国は、円高・元高回避のために、それぞれ高いドルを必要とする。自らがドル高への市場介入を行った結果が、世界1・2の外貨準備(ドル保有)。
中国には、早すぎる経済成長へのブレーキと内陸部開発への重点以降による経済構造の調整を行いながら、しばらくはドル安を回避したい衝動がある。
他方、いまだもっぱらアメリカ依存以外の対外経済戦略をもたないのが日本の政治。05年にはじまった東アジアサミットは、曲折をへながらも発展せざるをえない。2015年にはASEAN共同体が出現する。日本財界が、これに強い焦りを感じて、東アジア戦略をさかんに提起するのも頷けること。
以上で、テキストすべてを終了。
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