テキストに入る。「訳者あとがき」をかなり補足して解説。
共産党が政府と人民を指導する唯一の政党であるとされる実情の中で、胡錦濤国家首席・総書記のブレーンともいわれる著者が、中国における民主主義の弱点を率直に指摘し、その改革の必要を語ることの意義について。
「序に代えて」をかなり補足して解説。
経済の統制と政治の専制を特徴としたソ連型社会主義モデルが東欧には強要され、さらに中国も当初はこれをモデルとする。89年のベルリンの壁崩壊をきっかけに、ソ連・東欧諸国は「社会主義をめざす」との建前自体を放棄する。
それに先立ち、中国では78年の改革開放政策からソ連モデルからの離脱が進む。ベトナムは86年から。市場経済の導入による経済成長が、中国を「崩壊」の道から遠ざけた。その上で新たに、経済の改革だけでなく、政治制度の改革が今日的な課題となっている。
民主主義を人類にとっての成果と強調する著者は、市民社会の成長を土台に、人民が主人公の体制を、党内民主主義の拡充を入り口に達成することをめざしている。
それは「社会主義をめざす」政治の歴史にとって、貴重な実験となっている。
最後に、質問・感想を書いてもらう。
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