映像「『いのちの平等』をめざして」をみる。全日本民主医療機関連合会がつくったもので、副題は「キューバの医療実践を学ぶ旅」。
09年1月17日~24日の視察旅行の報告である。
1959年のキューバ革命当初から、医療の無料化がすすめられ、それは憲法50条にも書き込まれていく。
国民1人あたりの所得は日米の1/10程度にとどまるが、革命の前後て乳幼児死亡率は劇的に改善され、平均寿命も76才と「先進国」並にのびていく。
人口あたりの医師数は、日本の3.2倍であり、医療をつうじた国際連帯の活動も広く展開されている。
その国づくりを、視察したある医師は「品格のある国家」と表現する。
映像をみたあと、59年の強力革命、米ソ対立の中での62年のキューバ危機、ゲバラの「革命の輸出」思想とその克服、
市場の活用を公的方針としない社会主義づくり、南米諸国連帯の中での役割、現実の変化を後追いするアメリカの中南米政策、
公的医療保険制度がないアメリカ、オバマ政権の新しい努力、日本の国民健康保険制度の弱点、兵庫県の県立病院統廃合政策なども紹介する。
キューバの物的貧困を語るのは簡単だが、他方で、日本の政治には「人間の生活の豊かさ」という視角が抜けている。
社会主義をめざす国々にあっては、その精神をさらに育てながら、物的生産力の拡大を目さすことが急務となる。
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