まず、前回授業の補足から。
三菱UFJ証券・水野和夫氏
実体経済 金融経済
1990年 22.8 39.6
2000年 31.8 89.7
2006年 48.1 151.9
(単位は10億ドル、実体は世界のGDP合計、金融は株式時価総額と債券発行残高と預金残高の合計)
つづいて、テキスト第3章「貨幣の話」にすすむ。
(11)お金の下は金貨とは限らない
現代世界の貨幣制度はどうなっている、71年秋までは金1トロイオンス=35ドル、1ドル=360円などの固定相場制、ドル危機から変動相場制へ
富本銭(683年頃)、和同開珎(708年)、皇朝12銭(和同開珎から乾元大宝〔958年〕まで)、《668年近江令〔最初の法典〕、701年大宝律令》
(12)大切なのは労働力。お金は道具に過ぎない
1585年豊臣秀吉の天正大判まで貨幣鋳造は600年以上中断、この大判以前はほとんど銅銭、実際の流通はあやしい
12世紀後半からの武家政治の中で商品流通が発展、宋・元・明からの輸入銭、特に明の永楽銭は家康による貨幣制度整備までの代表的貨幣
近世以後、金銀銅の大生産国になるが、鎖国と幕末外交で不足国に
金の有無にかかわらず経済は発展する、肝心なのは価値を生み出す労働力
(13)貨幣が実際に使われるようになるのは
江戸時代に貨幣制度が整備された
現代では商品交換をお金が仲立ちする、昔は自給自足と物々交換
(14)日本でだんだんお金が使われるようになった
源頼朝以後権力は鎌倉(1192年まで)に、次いで室町(1336年)に、戦国時代へ(1467年応仁の乱から1573年織田信長による室町幕府倒壊まで)、日本経済は京都権力による搾取を脱して大きく発展
信長による常備軍の形成、職人や商人の集中による城下町、家康による参勤交代などで商品と貨幣の流通は決定的に
江戸時代の経済は収入は米などの年貢、支出は貨幣、年貢の換金などは「大坂」で行われた(大坂商人の力)
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