後期の授業全体に対する「補足」を行っていく。
19世紀末~20世紀前半、大国による植民地支配が頂点に、①社会主義をめざす国の誕生、20世紀後半
②植民地体制の崩壊(アジアから)と自立した大きな集団の形成、米ソの帝国主義・覇権主義政策(「冷戦」時代)の中で、
③91年ソ連崩壊、「西側」でのアメリカの求心力低下、AALAの活動の自由、世界の反共主義克服の新たな条件に(とりわけイスラム諸国で)、アメリカ一国覇権主義の展開とゆきづまり、政治的・経済的地位の低下
(ゴールドマンサックス調査部の「2050年の世界経済」を示しながら)
資本主義の枠内での力関係の変化とともに、資本主義を乗り越える動きをはらんだ国が上位に
これに対応して、08年「2025年の世界」(米国家情報会議)は、①「米国中心の国際秩序はほとんど姿をとどめていない」、②「中国とインドが多極化時代の新たな大国として米国と影響力を競い合う」「中国は今後20年間、他のどの国よりも影響力を強める」また、2009年11月BBCの27ケ国(2万9000人)世論調査で、「自由市場の資本主義」について、①「資本主義はよく機能しており、規制強化は能率低下を招く」11%、自由主義で良い、②「規制と改革で対処できる問題を抱えている」51%、資本主義にはルールが必要、③「致命的な欠陥を抱えており、新しい経済システムが必要だ」23%(フランス43%、メキシコ38%、ブラジル35%)、資本主義以外のシステムへ
鳩山内閣の3党合意文書の外交から「世界の国々と協調しながら国際貢献を。・・国連平和維持活動、災害時における国際協力活動・・など▽・・緊密で対等な日米同盟関係を・・より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む▽中国、韓国をはじめ、アジア・ 太平洋地域の信頼関係と協力体制を確立し、東アジア共同体(仮称)の構築を・・▽国際的な協調体制のもと、北朝鮮による核兵器やミサイルの開発をやめさせ、拉致問題の解決に全力を・・」
普天間の基地返還・移設問題をもめぐって、1992年フィリピンでは基地撤退「いかなる国においても外国軍が存在することは異常な状態である」、「米国との友好、協力、貿易は望むが、服従は望まない」(上院での議論)迷走の末、5月まで結論先延ばしとしているが、「移設条件つき返還」論の限界がある
沖縄の世論は明白(無条件返還・これ以上基地はいらない)、沖縄問題でなく日本問題として、名護市長選・参議院選挙・沖縄県知事選で政治を動かす、2010年は新安保50年、国民的な議論を
「東アジア共同体」論にかかわって。鳩山・胡錦濤会談、「村山談話(植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました)を踏襲する」(9月22日)、鳩山・李明博会談、「新政権はまっすぐ歴史というものを正しく見つめる勇気を持っている」「在日韓国人の地方参政権問題に対して前向きに結論を出していきたい」(10月9日)
背景にあるのは、1)財界の戦略に東アジアとの友好が不可欠、2)アメリカも日本の「戦争肯定」を容認できない、3)東アジアの成長は日本への遠慮を不要に、という経済事情
ただし、「太平洋」が入っているのは、アメリカの意向を大きく酌んでのこと。
そうした変化の流れに焦る右派、「主権回復を目指す会」http://www.youtube.com/watch?v=Yb9h2to7txw
「在日特権を許さない市民の会」、朝鮮学校の子どもたちにhttp://www.youtube.com/watch?v=hgkWtd9AJ_o&annotation_id=annotation_144614&feature=iv断末魔の声だが、無法を許さぬ取り組みを
司馬遼太郎の歴史小説をもとに、全13回、各1億円、一大キャンペーンhttp://www.nhk.or.jp/matsuyama/sakanoue/about/index.html
「近代国家の第一歩を記した明治という時代のエネルギーと苦悩をこれまでにないスケールのドラマとして描き、現代の日本人に勇気と示唆を与える」「国民ひとりひとりが少年のような希望をもって国の近代化に取り組み、そして存亡をかけて日露戦争を戦った『少年の国・明治』の物語」(NHKのHPより)しかし、「明治」は朝鮮への侵略と植民地支配の時代、『坂の上の雲』には、1)侵略の史実と、2)朝鮮人民の抵抗が具体的に描かれない(昭和の「痴呆化」も描かれない)
1868年(明治元年)明治維新1894年(明治27年)日清戦争
1904年(明治37年)日露戦争
1910年(明治43年)韓国併合
さらに、昨年10月からの授業概要をふりかえり、最後の質問用紙も配布・回収。
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