７月１３日・経済学－株主資本主義による”ものづくり経済”の衰退

　学生による授業評価アンケートの結果を紹介。

　テキスト第５章「新自由主義への退場通告」をすすめる。

　４・「会社は株主だけのもの」

　新自由主義の特徴－①市場原理主義、②株主資本主義
　株主資本主義はものづくり経済にはなじまない、軍事・農業・金融というアメリカ型の産業構造にのみ有効（それも破綻するが）
　０８年世界経済危機は株主資本主義が全面開花し、破綻したもの
　経営者もストックオプションを与えられて、配当と株価上昇の至上主義に、製造業は成長できない

　５・自動車大手の破綻

　０９年６月ＧＭが経営破綻、政府が株式を保有し国有化（大きな政府への転換）
　原因は、①クルマが売れなくなった、②年金・医療費などの「負の遺産」が拡大
　よいクルマづくりでなく安易な金儲けに（大型車中心）、金融子会社が「稼ぎ頭」
　ガソリン価格の高騰から燃費の悪いクルマは売れなく、長期的な研究・開発の展望がもてない

　６・株主資本主義と経済倫理

　ビッグスリー（ＧＭ・フォード・クライスラー）労働者の平均時給は７０ドル（賃金４０ドル、現役労働者の社会保険料１５ドル、退職者の年金と医療保険１５ドル）
　本来国が行なうべきを企業が負担、「小さな政府・大きな企業」という矛盾
　危機の中で経営者は株式売却、破綻した方が儲かるＣＤＳ

　７・リスクが「ゼロ」の投資
　住宅ローン会社がつくった住宅ローン債券を投資銀行が買い取り、証券化して販売
　住宅価格が上昇していれば、それが担保になって債券額は回収できる
　格付け会社に高い評価をさせて

　８・我が亡き後に洪水はきたれ
　「再就職する必要はない」、フランスではボーナスの抑制、アメリカでは野放し