映像「NHKスペシャル 灼熱アジア 第1回タイ ”脱日入亜”日本企業の試練」を見る。
〔以下、内容についてのメモから〕
政治混乱の中でも最大の輸出港レムチャバン港は満杯/2010年の成長率見込みは7.0% 金融危機後もっとも力強い回復/躍進の主因はFTA、原産地証明書があれば関税免除・大幅削減、これによって輸出品の圧倒的な価格競争力を手にいれた
32億人アジアの中心に/ASEANは2018年までに関税撤廃(中国・インド・日本とも)/外国資本も輸出入拠点をASEANに移せば全地域関税無税となる
その中でもっとも製造業が発展しているタイに外国企業の工場が集中/アマタ工業団地に680社、低賃金よりも現地市場ねからいで、25ケ国から集中/目立つ日本企業、製品の設計など中枢部分も日本から移転することを視野に(リコー)/技術力・人材の質の高さ、6000万人の人口、ASEANが世界一の市場になる可能性も/日本から雇用96万人の流出
オオタ・テクノパーク(東京から7社が移動)に金型部品メーカー南武(自動車関連)/フル生産、日本と同じレベルの技術水準、顧客も急増、マレーシア・インドネシア・インドとも取引、東京本社の経営をタイ工場の利益で支える/アジア全域を見すえた生産・経営の拠点に/日本ではなかった厳しい値下げ要求、最初に提示する見積金額が最重要視される世界、顧客は広がっているが、ライバルもふえている
アジアは空前の自動車ブーム、9億人の中産階級/自動車・電子機器製造は5年で1.6倍/中国・インド企業も参入している/中国最大の銅線メーカー震雄も(電子機器部品)工場を、中国での生産を上回る利益/インドNRBベアリング(自動車関連)も
タイ地元資本のタイサミット(タイ最大の自動車部品メーカーグループ、家族経営)/日米14の自動車メーカーにボディや電装などを提供/日本の金型メーカーオギハラ(かつてはベンツやジャガーの金型も)を買収、技術を買う(中国・インドとの競争のために)、買収資金300億円/日本人技術者がタイで金型開発
タイサミットはバンコクの小さなバイクシート店として操業/日本メーカー向けの部品製造へ/97年の通貨危機でタイ経済は壊滅状態、ここでタイに進出していた日系メーカーが戦略転換(バーツ安で輸入できない、現地企業からの部品購入・技術水準上昇の努力を)/日本の下請けから世界に打って出る(技術は買う)
南武に新しい注文/インドネシア日系メーカーから/緊急事態でナイトシフト(夜勤)復活、24時間態勢、工員に余裕が与えられない/スワンナプーム国際空港、国境をこえた生産も拡大、部品の急な発注が頻発、アジア全土でのジャストインタイムシステム
タクシン派のデモの影響/タイサミット、タナトーン副社長、オギハラの会長に就任・リストラを推進、一部を中国企業に売却(日本企業は固定費がかかりすぎる、ビジネス環境がかわっているのに)
タイ工場でオギハラ社員はアドバイザー、シミュレーションをタイは重視しない、指摘してもつくって失敗する/アドバイスを現場に下ろす組織改革が必要と訴える、タイ工員の日本人技術者への不満も(知識はあるが教え方がヘタ)
南武/マレーシアメーカーから納期変更の要請/大田区の本社に一部の生産を肩代わりしてもらう逆転現象/コストはかかるが信用獲得が先決(本社も了解)、日本でもできない技術をタイ人がマスター
オギハラ/現場に入って技術を伝える
日本の中小企業向けの不動産業者は忙しい/工場用地・建物の紹介/新潟のメーカーが視察に、インドシナのハブに、あわよくば中国にも/2018年FTAの中に日本は入る、その一員としてどう向き合っていくのか/タイサミットの金型開発にメド、まもなく出荷
〔最近の新聞記事から〕
「APEC首脳会議/横浜で13、14日開催」(那波さん、「毎日」11月5日)
「TPP協議開始を明記/政府方針で最終案/きょう閣僚委」(宮口さん、「日経」11月6日)
「中国の『威圧外交』に不信/『尖閣』引き金 急激悪化」(瀬古さん、「読売」11月7日)
〔テキスト『覇権なき世界を求めて』第3章〕
第1~2節(喜多さん)、第3~4節(栗山さん)報告、議論は3節まで
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