〔共和国〕
共和国をフランスの同義語として
第5共和国憲法第1条「非宗教的、民主的、社会的な一にして不可分の共和国」
私的空間における信教の自由(非宗教的)、国民主権に実効性(民主的)、社会的不平等をただす福祉国家(社会的)
1789年「人と市民の権利の宣言」、普遍的な人権概念を社会の根幹に
※歴史的制約とたたかいの歴史
〔憲法〕
統治機構の規定であった憲法から、権利保障と権力分立原則を定める憲法へ
共和制の安定は、1875年の第三共和制から(極端な議会優位)国憲法から
1944年の第四共和制憲法に行政権の強化はいれられず、ド・ゴールは政権を去る
1958年第五共和制憲法で強力な大統領権限と立法権の制限
現在は普通の議会制民主主義国家(第六共和制)への過渡なのか
〔人権〕
1789年「人間および市民の権利宣言」、人間の普遍性=自由・自律
国家は自律を侵害しない、その保障は人間が政治参加の主体=市民となること、参加による自由・自律の確保
※それにふさわしい市民としての力量が問われる
〔パリテ〕
パリテ、政治や社会のあらゆる領域で男女同数を追求する考え方
99年シラク大統領のもとでパリテに関する憲法改正案、議員・公職への男女同数のアクセス
選挙結果への少なくない影響、特に欧州議会に
残る課題も
〔地方分権〕
市町村・県・州の3層制、人口2000人未満の自治体が9割、400人未満が5割、市町村連合の発展
首長は地方議員の互選で、予算は国の1/2、地方税の比率は高い、国会議員と地方議員の兼職可
82~86年第一次地方分権改革、03~04年第二次地方分権改革
〔補足・日本の道州制〕
2010年6月「地域主権戦略大綱」閣議決定
「地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるように」
「義務付け・枠付けの見直し」(最低基準の緩和・撤廃)/地方への財源を「一括交付」(社会保障や義務教育、全国画一の保険などは例外)/ハローワークなど国の出先機関は「原則廃止」「地方移譲」/地方交付税の「総額の確保」「地方消費税の充実」
「道州制も射程に」/「長と対立した場合の解決手段」して議会形がい化する「地方政府基本法」
日本経団連・御手洗会長「日本経済の現状と課題」(08年9月17日)
「国は、国防・外交など国の根幹に関わる政策に特化」「地域がそれぞれ自らの地域を経営し、その結果責任を負うという『地域経営』が実践できる」
道州制で「第1に、道州が権限・自主財源を持つことにより・・・効率的な産業育成」「九州とオランダは、人口も面積も、ほぼ同じ」「域内の総生産は、オランダが九州の1.5倍以上」
〔補足・財界の復興策から〕
経済同友会「東日本大震災からの復興に向けて〈第2次〉」(4月6日)がはらむ問題点
②「将来の道州制の先行モデルをめざして、被害を受けた東日本、とりわけ「東北」という地域が主体となり、地域としての全体最適を図る」
③「東北の復興を、『新しい日本創生』の先進モデルとして、国際競争力のある、国内外に誇れる経済圏を創生する」
〔フランスの自治体制度〕
「フランスの自治体数は36500」「パリは人口220万都市ですが」「人口5万人以上の自治体は112しかなく、人口700人未満・・が67.6%」。国は合併させたがっているが「住民がそれを許さない」
「コミューンは・・まぎれもなく、民主主義の学校」(76年「地方団体の役割の発展に関する委員会」報告書)(加茂『新しい地方自治制度の設計』76ページ)、国と地方の政治家の公職兼任制(77ページ)
日本の巨大化路線の転換を、「構造改革」型道州制にあるべき地方自治を対置する
〔補足・原発問題〕
①「死の灰(放射性物質)」が管理でぎない、②世界有数の地震大国、③燃料の「暴走」がとめられない
〔「想定外〕でなかった事故〕
「外部電源と内部電源のトラブルが同時に発生した場合にどういう事態が起こると考えているか」(吉井英勝議員、国会経済産業委員会、10年5月26日)、「論理的には炉心溶融事故は起こりうる」(寺坂信昭原子力安全・保安院長)
経済同友会「東日本大震災からの復興に向けて〈第2次〉」(4月6日)①「電力供給増」「火力発電の増強を速やかに」「7基中3基(最大330万kW分)が休止している柏崎刈羽原子力発電所について、専門家による安全性の検証や防災対策を十分行った上で、休止炉の早期再開をめざすべき」
〔財界発の原発・エネルギー政策〕
2010年6月政府の「エネルギー基本計画」、2030年までに原発14基以上増設
日本経団連「エネルギー基本計画の見直しについての意見」(2010年4月7日)
「3・エネルギー供給構造のあり方」-(1)「エネルギー安全保障を確立」「原子力、石油、天然ガ ス、石炭等・・・エネルギー源の多様化と供給源の多角化」
(2)「とりわけ原子力はわが国のエネルギー戦略上、基幹となるエネルギー源」
「4・エネルギー産業の国際展開」
「(1)わが国の優れた環境・エネルギー技術を活かし、経済成長と国際貢献を同時に達成するため、高成長を続けるアジアをはじめ海外市場を開拓していく」
「(2)そのため、(1)海外市場の開拓への官民の一体化・連携した戦略的取組みの推進(・・・政府首脳級によるトップセールスも含めた総合的な民間ビジネスの後押し)」
〔原発推進の利益共同体〕
①電力会社(9電力)、②原発メーカー(西日本は三菱重工業、東日本は東芝、日立、3社で独占的に受注)、③ゼネコン(大成、鹿島、大林、清水、五洋、前田、熊谷、竹中、飛鳥、間、奥村・・・)、④資材メーカー(鉄鋼、セメント)、⑤銀行、⑥「公共事業」利権、⑦天下り・政治献金など
日本経団連正副会長19名に、西田厚聰(東芝会長)、川村隆(日立製作所会長)大宮英明(三菱重工業社長)、宗岡正二(新日本製鐵社長)
〔原発政策を見直す世界〕
ドイツ、6月6日、原発17基の全廃(原子力法改正案)閣議決定、再生可能エネルギー法案なども
現在停止のものはそのまま閉鎖、その後15年、17年、19年に1基ずつ、21年に3基、22年に3 基という行程表
メルケル首相、3日記者会見、「後戻りの選択肢はないことが明確になった」
〔自然エネルギー開発の展望〕
自然エネルギーの開発・普及、低エネルギー社会への努力が必要
和田武『飛躍するドイツの再生可能エネルギー』世界思想社
「水力はもちろん、太陽エネルギーも風力もドイツを上回る資源量があり、バイオマスでも国土面積中の森林比率はドイツの2倍以上あり・・・地熱資源も火山国の日本は、ドイツより豊富である。海洋には、波力、潮汐力、温度差エネルギーなどもあり、バイオマス資源さえ生産が可能」「産業発展と雇用拡大に大きな効果」
2011年7月2日、大手新聞の報道はなし
問われる市民の自立した行動
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