アセアンと中国は「全面的な経済協力」に向けた努力を深め，２０１０年６ケ国，２０１５年１０ケ国と自由貿易協定を実現することで合意した。
あわせて地域の平和を守るための外交努力でも。
他方，首脳会議後の「博覧会」で，フィリピンのアロヨ大統領は，西側への貿易依存度低下を対中関係に期待したいと表明。
とりわけ対米貿易依存ということであろう。
「ＡＳＥＡＮ、西側への貿易依存軽減で中国に期待＝アロヨ比大統領」（ライブドアニュース，１１月１日）。
「【南寧（中国南部）３１日】フィリピンのアロヨ大統領≪写真≫は３１日、中国南部の都市南寧での「中国ＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）博覧会」開幕に当たってあいさつし、西側諸国への貿易依存を軽減するため東南アジア諸国は中国に期待していると語った。同大統領はその中で、「ＡＳＥＡＮ地域は中国の輸出にとって５億人の人口を擁する市場であり、必要な資源の供給先である。逆にわれわれＡＳＥＡＮ諸国は、米国や欧州など西側市場への輸出依存を軽減できると」と強調した。
同博覧会は中国と東南アジアの経済関係を促進することを目的としたもので、開幕式にはＡＳＥＡＮ１０カ国首脳と中国の温家宝首相が出席した。フィリピンは今年のＡＳＥＡＮ議長国を務めている。中国とＡＳＥＡＮ諸国は前日、南寧で首脳会議を開き、２０１０年までに自由貿易地域を創設するという目標を再確認している。
首脳会議に出席したマレーシアのアブドラ首相はマレーシア・中国間の天然ガス供給契約の調印式に立ち会った後、マレーシアの起業家に対し、中国を脅威とみなさないよう求めるとともに、「エネルギー資源、自動車、その他の産業における両国間の協力は双方の利益になっている」と述べた。同契約により、マレーシアの国営エネルギー会社ペトロナスは向こう２５年間にわたり、年間約３００万トンの天然ガスを上海に供給する」。〔ＡＦＰ＝時事〕2006年11月01日07時42分
「2010年までにＦＴＡ発効を確認 中国、ＡＳＥＡＮ関係強化へ表明」（北海道新聞，１０月３１日）。
「【北京３０日佐々木学】中国と東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）の首脳会議が三十日、中国南部の広西チワン族自治区南寧市で開かれ、既に合意している二○一○年までの自由貿易協定（ＦＴＡ）発効のほか、地域開発や経済協力など各分野での関係強化を確認する共同声明を採択した。北朝鮮の核実験問題についても協議、中国とＡＳＥＡＮが問題の解決に向け連携を強め、六カ国協議の早期再開を目指して外交努力をすることで合意した。
中国の温家宝首相とＡＳＥＡＮ十カ国の首脳が出席した。現地発の新華社電によると、温首相は首脳会議で、ＡＳＥＡＮ発展のための基金に百万ドル、ＡＳＥＡＮの一体化を促す各種プロジェクトに百万ドルをそれぞれ提供すると表明。今後五年間でＡＳＥＡＮ諸国の計八千人の人材育成を支援するほか、青少年千人を中国に招くと述べ、「中国はＡＳＥＡＮが地域協力で主導的役割を果たすことを支持する」と語った。
首脳会議は中国が一九九一年、ＡＳＥＡＮ外相会議に初参加して十五年になるのを記念して開かれた。中国は今回の首脳会議を通じ、将来の東アジア経済統合をにらんでＡＳＥＡＮとの安定した関係を築くとともに、同様にＡＳＥＡＮへの影響力を高めようと接近している日本、米国、インドへのけん制を狙っている」。
「温家宝総理、ASEANとの協力強化に4提案」（ 「人民網日本語版」１０月３１日）。
「中国と東南アジア諸国連合（ASEAN）の対話関係の構築15周年を記念するサミットが30日、広西チワン族自治区南寧市の茘園山庄国際会議センターで開催された。サミットでは温家宝総理が「手を携え、奮って前進し、中国・ASEAN関係のすばらしい未来を共に創造する」と題し、重要な演説を行った。演説の要旨は次の通り。
中国・ASEAN関係の15年の長足の発展には多くの貴重な経験があった。平和発展路線が前提であり、平等と相互信頼が基礎であり、協力と相互利益が目標であり、人民の支持が原動力であることなどがその主たるものだ。
すでにASEANは、本地域および国際舞台において、平和を守り、発展を促す重要なパワーとなっている。中国はASEANの一体化と共同体建設を支持し、ASEANが地域協力において主導的役割を発揮することを支持する。中国政府はASEAN発展基金に100万ドルを拠出し、ASEAN一体化に向けた関連プロジェクトに100万ドルの支援を拠出すること、また今後5年でASEANのために各種人材8千人を育成し、ASEANの青少年1千人を中国に招待することを決定した。
中国とASEANの友好協力関係の強化と発展は双方の共通の願いだ。双方はチャンスを捉え、協力を強化し、両者関係を新たな段階へと引き上げるべきだ。このために次の提案をしたい。
（１）戦略協力の強化。ハイレベル交流の維持、相互信頼の増強。重大な地域・国際問題における調整と協調を深め、国際政治・経済秩序がさらに公正で合理的な方向へ発展するよう共に促していく。
（２）協力内容を豊富にする。「中国とASEANの全面的な経済協力に関する枠組み合意」を基礎に、双方の経済貿易協力を拡大し深める文書の調印を検討し、経済協力の制度的な協定を確立し、中国・ASEAN自由貿易圏の建設を加速し、10大重点分野での実務協力を推進する。
（３）共通の安全を守る。軍事対話・交流を促進する。「南中国海における各国の共同宣言」を引き続き実行し、南中国海の共同開発を推進する。中国は「東南アジア非核地帯条約」付属議定書への早期調印を願っている。テロ対策、国際犯罪の取締り、海上の安全、緊急救難などでの協力を強化し、国際的問題に共同で対処する。
（４）人文交流を緊密化する。科学技術、文化・教育、スポーツなどの分野での協力を強化する。地方の交流と協力を拡大する。双方の青年による相手国でのボランティア活動を奨励し、理解と友情を深める」。（編集NA） 「人民網日本語版」2006年10月31日
「中国・ASEAN自由貿易圏、2010年成立に努力」（「人民網日本語版」１０月３１日）。
「中国・東南アジア諸国連合（ASEAN）記念サミットは共同声明で、中国とASEAN6カ国の自由貿易圏を計画通り2010年に建設し、2015年にはカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムとの製品貿易の自由化も実現する決意を表明した。
温家宝総理とASEAN10カ国の首脳が30日に署名した共同声明で双方は、「中国とASEANの全面的な経済協力に関する枠組み合意」で示されたように、早期の合意締結に努力し、多部門をカバーするサービス貿易の自由化を段階的に実現し、自由、便利、透明で、競争力のある投資システムを中国とASEANに構築し、投資を促進する考えを表明した。
共同声明はほかに▽双方の貿易・投資・観光促進センターを構築し、中小企業の発展、およびその地域経済への参与を促進する▽エネルギー安全保障、エネルギー効率、代替・再生可能エネルギーの開発などの協力を進める▽観光・旅行協力を深める▽全面的に自由化された航空サービスシステムの実現に努める。中国はASEAN経済共同体の実現を支持する▽周辺地域の開発支援でも協力を一層強化する――と表明した」。「人民網日本語版」2006年10月31日
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