社会保険庁が、自分のミスで年金不払いとしておきながら、誤りが見つかった時には「時効」をたてにとっている。
まったくもって、人としての「道義」というものが存在しない行政である。
われわれの年金記録もどうなっているのやら。国中だれもが不安である。
全国民にとっとと、記録のコピーを郵送しろ。
年金で振り回された13年 西宮市の男性が国を提訴(神戸新聞、6月24日)
社会保険庁の記録ミスで厚生年金の保険料が未納となり、時効を理由に支払いを拒否され、裁判で争っている西宮市の男性がいる。国会で年金時効撤廃特例法が成立すれば、支給される可能性は高いが、男性がこの問題で振り回された期間は13年間に及ぶ。「初めから公務員としての仕事を全うしていれば…」と、怒りが収まらない。
西宮市の不動産業大西満さん(78)。一九九四年、年金の受給申請をすると、姫路市内の運送会社に勤務していた四九年十二月-五一年二月に支払った保険料十五カ月分のうち、五カ月分しか納付記録がなかった。姫路社会保険事務所に調査を求めても、終戦後の書類不備などで確認できないとされ、納付は認められなかった。
二〇〇四年二月、大西さんは転居の際、運送会社時代の給与明細を発見。社保庁に支給を求めたが、進展がなかった。
社保事務所はオンラインで結ばれており、当該事務所以外でも照会に応じるため、大西さんは兵庫、大阪の計九事務所に納付記録の確認を要請した。
すると、姫路で「ない」とされた納付記録の一部が見つかった。社保事務所のミスによって、大西さんの勤務先が一時、運送会社と同じ事業所番号を付けた見知らぬ会社になっていたことも分かったという。
大西さんは、年金に関する不服審査を行う社会保険審査会に申し立て、〇六年四月、保険料が全期間納付されていたと認定された。
だが、社保庁は、五年間分しかさかのぼって請求できないという時効を理由に、九九年一月以前分の支払いを拒否。大西さんは昨年八月、国を相手取り、本来受け取れるはずの年金との差額百五十万円や慰謝料など計約四百八十万円の支払いを求め、神戸地裁尼崎支部に提訴した。
今年八月に尋問が予定されている大西さんは「自分がミスをしたら謝罪して支払うのは当然。十三年間の対応はばかげている。時効撤廃が選挙向けの宣伝に終わらないよう、国会でしっかり議論してほしい」と訴えている。(森 信弘)
記録不備、確認相次ぐ 神戸で年金土曜相談会(神戸新聞、6月23日)
年金記録不備問題を受け、兵庫県社会保険労務士会は二十三日、神戸市中央区下山手通七の同労務士会館で、社会保険制度の専門知識を生かした緊急年金無料相談会を始めた。今後、七月二十八日までの毎週土曜日(午前十時から午後四時)に開く。
相談会には労務士三人が常駐。初日のこの日は兵庫社会保険事務局の職員も年金の加入履歴を調べる端末を持ち込み、年金手帳を手に次々と訪れる人の相談に応じた。
神戸市西区の男性(70)は、昭和三十年代に支払ったはずの厚生年金保険料が加算されていないため、相談に訪れた。四年前から何度も社会保険事務局に足を運んだが、自身の年金記録の不備が確認できたのは今月になってからという。「支給額がこんなに低いはずはないと思っていた。事務処理も対応もずさんすぎる」と話していた。
同会の出口侑宏会長は「加入記録が残っていなくても、雇用保険の記録から問い合わせることもできる」と話していた。相談は要予約。TEL078・360・4864
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