世界構造の大きな変化を示す1つの事例。
大国独占の国際政治・経済運営に対する3ケ国の強い抵抗であり、構造改革推進への新たな力の発揮である。
インドとブラジル、南アが首脳会議・資源や貿易で連携(日経新聞、10月18日)
【ロンドン=岐部秀光】インド、ブラジル、南アフリカ共和国の3カ国は17日、南ア首都プレトリアで首脳会議を開いた。資源開発や貿易拡大など経済協力のほか、国連改革の要求など外交でも足並みをそろえることを確認した。経済が急成長する3カ国は、主要国首脳会議(サミット)にも国連安全保障理事会の常任理事国にも属しておらず、連携を通して国際的な発言力を強める狙いがある。
3カ国の頭文字をとった会議「IBSAサミット」には、インドのシン首相とブラジルのルラ大統領、南アのムベキ大統領が参加。3首脳は公共サービスや新エネルギー利用など7つの協力合意文書に調印した。
地球温暖化対策や貿易自由化交渉などが先進国主導で進むことを警戒する3カ国は連携を深めて対抗する。ルラ大統領は同日、「貿易自由化交渉を一握りの先進国だけの問題にしてはならない」と述べた。常任理事国入りを目指す3カ国は、国連改革でも利害が一致する。
印・ブラジル・南ア首脳会議 先進国優位に異議 IMF体制批判 南南協力訴え(しんぶん赤旗、10月19日)
【ニューデリー=豊田栄光】インド(I)、ブラジル(B)、南アフリカ共和国(SA)三カ国は十七日、南アの首都プレトリアで第二回IBSA首脳会議を開き、先進国優位の国際経済体制に異議を唱え、途上国同士の「南南協力」の推進、国連改革の必要性などで一致しました。三カ国はいずれも経済成長が著しい新興国で、国連安保理常任理事国入りをめざしています。
三カ国首脳は、停滞している世界貿易機関(WTO)ドーハラウンド農業交渉について、途上国の要求を反映するよう要求し、「全加盟国がバランスのとれた公正な結果をともにめざさなくてはならない」(共同宣言)と訴えました。ブラジルのルラ大統領は「交渉を一握りの先進国の問題にしてはならない」と語りました。
また共同宣言は、国際通貨基金(IMF)を軸にした米国中心の国際金融体制の改革を主張し、持続的な経済発展のために、南南協力を深めていくこと、そのためにIBSAが立ち上げた基金の活用を重視していくことを確認しました。
政治課題では、期限を定めた核兵器廃絶交渉の開始を訴え、テロとのたたかいでは国連憲章や関連国際法に沿った国際協力を強調しました。
IBSAの枠組みは二〇〇三年の閣僚フォーラム設置から始まり、昨年ブラジルで、第一回首脳会議が開催されました。議会、経済、教育、保健衛生、学術文化など多くの分野での協力を進めています。
インドのシン首相はIBSA協力を「国民(レベルの)運動にしていくべきだ」と語り、その成功は「すべての途上国の模範となる」と述べました。
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