オーストラリアの新たな労働党政権だが、アジア重視の姿勢を見せている。
東アジアサミット参加16ケ国内部の大きなギクシャクの1つが、これで解決に向かうこととなる。
あとは行動である。そして日本である。
ラッド次期豪首相「アジア重視」 京都議定書批准も表明(朝日、11月26日)
オーストラリア総選挙で11年ぶりの政権奪還を確実にした労働党のラッド次期首相(50)が25日、ブリスベンで記者会見し、米国との同盟関係を維持したうえで、アジア各国との関係を重視していく姿勢を明らかにした。「アジア重視」はハワード首相も掲げたが、「テロとの戦い」での米追随姿勢がアジア諸国に不信を広げた。アジアとの関係をどう修復するのか、外交官出身の次期首相の手腕が問われることになる。
ラッド氏は会見で、24日夜に電話会談したインドネシアのユドヨノ大統領の招待を受けて、12月にバリ島で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)への出席を表明。京都議定書を早期に批准することを伝えたことを明らかにした。さらに「インドネシアとの強力な二国間関係はアジアの安定にとって重要だ。両国関係を拡大、強化したいとも伝えた」と述べた。
ブッシュ米大統領の盟友としてイラク派兵に突き進んだハワード首相は、マレーシアのマハティール前首相から「豪州は欧州人の国。東アジアではない」と批判されるなど、イスラム諸国を中心に強い不信があった。
特にインドネシアは99年、東ティモールへの多国籍軍を豪が主導したことに反発し、両国の安全保障協定を破棄するなど関係が一時険悪化(06年に再調印)。この時もハワード首相は「米の代理人として平和維持の役割を果たす」と発言したと伝えられ、周辺国に警戒感を広げた。中国専門家として知られるラッド氏は、インドネシアとの関係改善を足がかりに東南アジア諸国との融和も目指すとみられる。
一方、ラッド氏は「米国との同盟関係は今後の豪州外交の中心であり続ける」とも強調。電話で勝利を祝福したブッシュ大統領と、来年早期の訪米で合意したことも明らかにした。「元外交官のバランス感覚を生かして、米国、中国、日本、東南アジアと協調する目配り外交をするだろう」(豪州の外交専門家)とみられている。
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