田久保忠衛・古森義久『反米論を撃つ』(恒文社21、2003年)を読み終える。
本の帯には「朝日新聞派文化人断罪!」とあるが、それより上に「『テロ容認』『反米エセ保守』の西部邁氏、小林よしのり氏撃破!」とある。
ようするに「親米保守」をののしる原理的靖国派に対する、現実主義的靖国派からの批判あるいは反論の書ということである。
とはいえ、もっとも肝心であるはずの、日本がなぜアメリカについていかねばならないのかという理由はまったく明らかになっていない。
現代世界の大きな構造変化の中で、アメリカはどういう役割を果たしているのか、それを分析しようという視角はどこにもない。
典型的な「アメリカ過大評価」論でもあるのだろう。
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