兵庫県財政と08予算案に関する3つの記事。
このような現状をつくった者の責任を問い、現状をさらに悪化させる政策の継続を批判することが必要。
くわえて「憲法県政の会」として、この問題にどう対処していくかという前向きの「政策」も当然必要となる。
08単年度では黒字になるというのだから、問題はますますどこに重点をおくかの姿勢になっていくのだろう。
少しまとまった勉強をしておかねば。
実質公債費比率さらに悪化、20%台 県予算案(神戸新聞、2月20日)
兵庫県が発表した二〇〇八年度予算案で、〇六年度決算時に全国ワースト2となった実質公債費比率は、さらに悪化して20・0%になる見込みとなった。先に策定した新行革プランでも同比率は悪化する見通しで、行革に着手しても財政危機からすぐには抜け出せない状況が浮き彫りになった。県債残高も三兆四千億円となり、過去最大を記録する。
実質公債費比率は、その自治体の標準的な財政規模に占める借金返済額(公債費)の割合を示し、決算の三年平均で算出する。過去の起債制限比率と違い、借金を返すために積み立てる減債基金(県債管理基金)の積み立て不足も加味する。震災復興事業などに基金の積立金を活用していた兵庫県は〇六年度決算時に19・6%となり、都道府県では北海道に次いでワースト2だった。
〇七年度決算は未確定だが、補正予算案などを反映させれば、20・3%となる見込み。〇八年度予算案では、千百九十五億円の収支不足を埋めるために四百五十億円もの基金取り崩しを行うが、実質公債費比率は0・3ポイント改善する。基金の積み立て不足の算出は〇七年度末の基金残高=グラフ=を使うため、「見かけの上の改善」(県財政課)となった。
借金総額である県債残高も過去最大の三兆四千億円となり、基金の積み立て不足も三千億円強となる。これらの負債を、今後の行革でいかに減らしていくかが財政健全化の鍵となる。新行革プランによると、実質公債費比率は一四年度に23・7%まで上昇するが、一八年度には単年度ながら、起債が自由にできる18%未満を達成する。
また、単年度の基礎的財政収支を見るプライマリーバランスは、〇八年度予算案で震災後初めて黒字となった。借金を返す額が借りる額を上回ったことになり、行革初年度の緊縮型予算を反映するが、「公債費があまりに大きいことも一因」(同課)で、過去の借金のつけが重くのしかかっている。(畑野士朗)
コウノトリ、ツーリズムに重点 新年度予算但馬関係(日本海新聞、2月20日)
兵庫県が十九日発表した二〇〇八年度当初予算案の但馬関係は、「コウノトリと共生する地域づくり」や「但馬の地域資源を活用した四季彩ツーリズム」「地場産業の育成・活性化」「交流を促進する交通基盤整備」などに引き続き重点を置く内容となった。
コウノトリ関連では、新年度は自然放鳥を休止。これまで放鳥したコウノトリの調査研究や野生化訓練、普及啓発などを行うための千四百四万七千円を計上した。
県の新行革プランに伴い、二〇一四年以降に建設が延期された「コウノトリ自然博物館」構想では、人材育成などのソフト事業を先行的に実施。県立コウノトリの郷公園などの研究者が地域に出向き、少人数で語り合うワークショップを展開する。
また、コウノトリと共生する農業を推進する「コウノトリ育(はぐく)む農法」の但馬全域への普及を目指し、おおむね一ヘクタールのモデル集団を七カ所設置する環境創造型実践モデル事業を実施。新規事業として、育む農法を実践するリーダーを対象に、新規取り組み農家への助言ができるアドバイザーの養成講座も開講する。
地域資源を活用したツーリズムの推進としては、国立公園・山陰海岸のジオパーク(世界地質公園)ネットワークの認証に向け、国への働き掛けを強化する。
都市部と但馬の交流を促進するため、「たじま田舎暮らし推進事業」を拡大。〇七年度に開設した情報センターを総合的な情報発信拠点として活用する。市町などで構成する推進会議も設置する。
地場産業の育成・活性化では、“元気企業”の育成に取り組むほか、観光を目的とした広域ネットワーク化を推進。兵庫、鳥取、京都の三府県連携による広域観光事業を推め、三府県を広域的に周遊するルートを開発する。
交通基盤整備では、但馬空港の新規事業として、現在の地上無線施設による飛行方法からGPSなど人工衛星を利用した航行へ転換するための調査を開始する。鉄道の定時性が確保される余部鉄橋架け替えの完了(一〇年度見通し)をにらみ、JR山陰本線や播但線の高速化に向けた調査も実施する。
【兵庫】兵庫県当初案で投資的経費2380億計上(建通新聞、2月20日)
兵庫県は19日、総額3兆4,613億円に上る2008年度当初予算案を公表した。07年度当初と比較すると、4%減となっている。厳しい財政状況が続く兵庫県は本年度に「新行財政構造改革推進方策(新行革プラン)」を策定し、08年度当初予算案は、この新行革プランを具体化する初の予算となった。
そのため一般会計は、97年以来11年ぶりに2兆円を下回る1兆9,762億円となり、07年度当初予算に比べても94.6%と、過去最大の減少率(5.4%減)となった。特別会計は、1兆2,750億4,400万円(対前年度比3.3%減)、公営企業会計は2,099億8,600万円(同5.9%増)となっている。
少子高齢社会や老朽化する既存ストックへの対応など、県民生活に密接に関連する社会基盤整備を計画的・重点的に推進しつつ、投資事業はできるだけ抑制する考えのため、投資的経費は07年度当初に比べて14.9%減の2,379億6,400万円に抑制されている。内訳は補助事業費が1,339億9,500万円(同11.8%減)、単独事業費が1,039億6,900万円(同18.5%減)。
新規事業もできるだけ抑えられている。08年度から着手する新規事業は、次世代スーパーコンピュータの支援施設として「高度計算科学研究支援センター(仮称)」を整備するため2,032万円を計上したほか、新名神高速道路宝塚サービスエリア・スマートインターチェンジの設置検討に1,000万円、高砂西港再整備計画策定に1,370万円、家畜保健衛生所整備基本計画策定に50万円を計上した。(2008/2/20)
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